日本のサイエンスの歴史をのぞくことができる本
今回は子どもが小学校の図書室から借りてきた『ドラえもんふしぎのサイエンス歴史編』の紹介です。
天体望遠鏡を作り出した国友一貫斎・初めて日本地図を作った伊能忠敬、本物の動物そっくりの江戸時代の絵や江戸の街の仕組み・江戸時代の科学実験・和算など盛りだくさんでした。
人気シリーズ『ドラえもん ふしぎのサイエンス』『もっと! ふしぎのサイエンス』から生まれた、「江戸時代の科学」をテーマとする小学生向け歴史ムックです。現代のロボット顔負けの精巧な「からくり」が競うように生み出され、100万都市・江戸はありとあらゆるモノがリサイクルされていた、世界最高のエコシティーだったという江戸時代後期。現代の「科学立国・日本」の出発点となったこの時代について、まんがと特集で学べます。ドラえもんたちが当時の二大発明家、「からくり儀右衛門」こと田中久重と、高性能の天体望遠鏡を作り出した国友一貫斎と時空を超えて出会い、また約60メートルあったといわれる幻の江戸城天守を誌上で再現するなど内容もりだくさんで、調べ学習などにも最適です。
【編集担当からのおすすめ情報】
身近な材料を使って家庭でもできる、江戸時代に行われた科学実験や、小学生もチャレンジできる和算(江戸時代の日本で発達した数学)の問題なども紹介しています。ぜひ親子で楽しんでみてください!
(Amazonの紹介ページより引用)
その中でも特に子どもが感動して「○○って知ってる?」と夕食時にもったいぶって言ってきたのは田中重久の発明品。
東芝の創業者「からくり儀右衛門」と呼ばれた田中久重の作品がたっぷり
大人向けのNHK番組「先人たちの底力 智恵泉」でも取り上げられた
田中重久は「からくり儀右衛門」と呼ばれたからくり人形師で東芝の創業者です。
先日、子どもが図書室からかりてた『ファスナーのひみつ』について書いた記事にも書いたように、shimausj.hatenablog.com
時々、NHKの「先人たちの底力『智恵泉』(ちえいず)」を見ていて(完全に大人向けの番組なので子ども抜きでひとりで)、そこでも田中久重が出てきました。
選「ものづくりの先覚者 田中久重 役に立つアイデアを生む極意とは?」
からくり人形師として大成功を収めた田中久重は、人々の悩みをものづくりで解決するという志を立て、明るさはろうそくの10倍で長時間点灯できる「無尽灯」や、西洋時計と和時計の他、二十四節気まで表示できる、画期的な「万年時計」を作る。さらに50歳を過ぎて、蘭学者の元で翻訳書から西洋の科学を学び、国産初の実用蒸気船を作るまでになった。職人からエンジニアになった先駆けといわれる田中のモノ作りの神髄に迫る。
(選「ものづくりの先覚者 田中久重 役に立つアイデアを生む極意とは?」 - 先人たちの底力 知恵泉(ちえいず) - NHKより引用)
これがなかなか面白かったんですが、子どもも同じようなものが好きなんだなぁと少し嬉しくなりました~。
「ねずみ灯」って知ってる?~圧縮空気により灯油を補給する灯明の「無尽灯」
いきなり「ねずみとうって知ってる?」と聞いてきました。「とう」は「塔」なのか「灯」なのか、一瞬迷いましたが、子どもがかりてきた本を知っていたので、「ネズミの形の照明?」と大人げなくズバッと言うと、「そうだよ~自動で油を補給してくれるんだよ~。ネズミの口から出てくるんだ」と説明してくれました。
「ネズミの口から出てくる?!」
後から見せてもらうと、↓こんな構造。言葉で説明するって難しいですね💦
空気の力で押し出され、自動で補給される「無尽灯」でした。
からくり人形がロボットみたい!~「弓曳き童子」
江戸時代のからくり人形はどなたもご存知だと思いますが、子どもは知らなかったようで、これにも感動していました。
「これが、こうなって、こうなるんだよ。弓をひくなんてロボットみたいだよね!」
私はこれまで【からくり】って子どもの工作の延長の感覚でしたが、そう言われればそうだなぁと見直しました!
万年時計(万年自鳴鐘)~昔の時計は毎日修正する必要があった
次に子どもが見せてくれたのは、田中久重が設計から製作までした重要文化財・万年時計(正式名称:万年自鳴鐘)です。
子どもは、
「昔の時計は毎日2回修正する必要があったって知ってた?」
「その手間がなくなったんだよ~」
「月の満ち欠けも…」
と、紹介してくれました。
江戸時代前期の時計は次のような時計で、毎日2回修正が必要だったらしいのです。
初期一挺天符目覚付掛時計
江戸前期。一日に1回文字盤は回転し、指針は固定されています。鐘は初期型に多い深い鐘で鐘止めは二つわらび形をしています。一挺天符のため、毎日2回、明け六ツと暮れ六ツに天符に吊り下がっている小さい錘(小錘)の位置を調整し季節ごとの時刻にあわせました。
(和時計の世界 | 時と時計のエトセトラ | 日本時計協会 (JCWA)より引用)
ところが、万年時計は、文字盤の位置を自動で変化させることで、昼夜の長さの変化に対応して一時刻の長さが変わる不定時法(⇒江戸の時刻制度“不定時法”:お江戸の科学)に自動で対応します。
干支や七曜、二十四節気、月の満ち欠けも表示します。
次のサイトに詳しく載っています。
子どもが言ってることに対して、後から追加で調べることが増えました…
万年時計は、見た目も豪華で小さな子は夢中になる作品だと思います。
他の「ドラえもん ふしぎのサイエンス」
小学館のシリーズ本
知らなったのですが、「どらえもん ふしぎのサイエンス」シリーズがあるようです。
裏表紙にこんな風に載っていました。
検索すると次のものが出てきました。
●「ドラえもん ふしぎのサイエンス」シリーズ
●「どらえもん もっと! ふしぎのサイエンス」
シリーズとしては少し昔のものですね。
小学館のサイトに5冊あり、 試し読みできるものもあります。
ムックとは?
「小学館学習ムック」と書いてあったので、「ムック」とは何だろうと調べてみました。
造本・編集・発行の様式が、雑誌と書籍の中間であるような本。
(ムックとは何? Weblio辞書より引用)
雑誌にしては分厚く充実しているから「ムック」にしたんでしょうね。
子どもにはムックくらいが持ち運びしやすく、読み切りやすいのでちょうどいい気がします。持ち運びを考えると大人にとっても。
分厚すぎず、漫画で読みやすい本なので、サイエンス好きのお子様におすすめです。
それにしても、江戸時代からサイエンスはあったんですね。将来、10年後20年後はどうなっているんでしょう。今のコロナでリモート…オンライン化がすすんだ歴史も未来の子どもたちは学ぶことになるんでしょうね。
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