- その大学を卒業しないと就けない仕事について欲しい?
- 大学へ進学のためにかける時間と労力と費用がもったいない
- 早くに進路を決めていたら、進学の「もったいない」が発生しないんじゃないか?
- 大学進学は何のため?
- 有名大学への進学が職業選択の範囲を狭める可能性もある?
- 自ら進学を望まない子も大勢いる
- 子どもの教育は平等に
その大学を卒業しないと就けない仕事について欲しい?
今回は、ネエサン (id:kyobachan)の次のブログ記事を拝読して思ったこと書きたくなりました。
この記事で、
子どもがトップクラスの大学へ進学したあと、特にその大学を卒業しなくても就ける仕事に子どもが就きたいと言った時、賛成できるか?
という問いを投げかけて下さっていました。
ネエサンは、非認知能力が高く多くの方に「ネエサン」と頼りにされ会社を切り盛りする方で、優秀な高校生のお子さんがいらっしゃいます。
ブログでは貴重な子育て体験も含めて様々なことを語ってくださっていて、共感する部分がたくさんあり、よく拝読しています。
先ほどのネエサンのブログ記事には、
「学歴が高い程 将来の選択肢が広がる」と思い、
「親も協力して ずーっと親子で頑張って来ました」という状況だったとしたら?
とも書かれていました。
「せっかくその大学を卒業しないと就けない仕事に就くことができるのに、なぜ?」
ということですよね。
世間で「良い」とされる一部の人しか進めない道(学校・仕事)にすすめるのに、なぜ進まない?
それは例えば「偏差値表のトップ校に行ける学力があるのに、なんで他の学校に行くの?」というのに似ている気がします。
ネエサンのお子さんもトップ校に行ける実力がありながら、トップ校に行かなかった。
それはお子さんにとってトップ校より魅力的な学校があったから。
ネエサンとお子さんにとって、将来を見据えるとトップ校よりよいと感じたからですよね。
きっと、ネエサンだって、もしお子さんがトップクラスの大学へ進学したあと、特にその大学を卒業しなくても就ける仕事に子どもが就きたいと言っても、反対されないと思います。ネエサンはお子さん大好きですから!
世間で「良い」とされる一部の人しか進めない道(学校・仕事)にすすめるのに、なぜ進まないかって、それは、
世間では「良い」とされていても、その子にとっては「良い」道ではなかったから。
ただ、それだけですよね。
大学へ進学のためにかける時間と労力と費用がもったいない
多くの選択肢の中から、選んだ結果を見れば
「その道にすすむなら、その努力いらなかったんじゃない?」
「親と子がかけたトップクラスの大学へ進学のためにかけた時間と労力・親がかけた費用がもったいなくないのか?」
という気持ちになりますよね。(大学進学が就職のためなら)
人生・子育ては「もったいない」の連続
でも、子育て・人生はそういう「もったいない」の連続です。
例えば、習い事。ピアノやヴァイオリンなどの楽器・スポーツのプロを幼い頃から子どもが夢みて努力していたのに、むいていないと分かったり、ケガをしてできなくなったり、やる気がなくなったりすることもあります。
費用・労力をかけて就職活動をして就職しても、パワハラやいじめなどで辞めることを余儀なくされたり、会社が倒産したりすることもあります。
結婚だって、たくさんの費用をかけて婚活をして、結婚式をして、新居も購入したのに、離婚するような事態になったりすることもあります。
また、最初からトップクラスの大学へ進学しないと就けない仕事を望んでいたとしても、その大学の人がすべてその道にすすめるわけではありません。不況やいろんな事情で、その仕事につけない場合もあります。
習い事にかけたお金と時間、婚活費用に結婚資金…就活費用と貴重な学生生活の時間を就活に費やしたのにもったいなかったという結果に。
でも、だからと言ってはじめなれば、何も始まりません。
早くに進路を決めていたら、進学の「もったいない」が発生しないんじゃないか?
藤井聡太さんは高校を中退
早くから進路を決め、そういう「もったいない」が発生しないようにされている方もいます。
将棋士の藤井聡太さんが高校を中退されたのは、恐らく高校の勉強をしている時間がもったいないからですよね。自分の将棋の時間を確保したいのに、さらに大学進学のための勉強なんて彼にとっては無駄でしかないかもしれません。
ネエサンのお子さんも、しっかり進路を決め進学をしない公務員になる道を決めていらっしゃいます。
早くに進路を決めた人は「進学のためにかけた時間と労力・親がかけた費用がもったいない」が生じにくくていいですね。
ネエサンはそこを投げかけたかったのではないかと勝手に推測してしまいました。
早くから自分で進路を決められるように、親子で普段から世間の様々な話をして考えさせる方がいい。
そうすれば、最短ルートで無駄なく臨む道へ進める。
そういうことなのかなと。
勝手に解釈して違ってたらすみません!
私もネエサンのように早い段階で子どもにいろいろ話をして、これからもっと深く進路を考えさせたいと思います。
進路変更で大卒資格が役に立つこともある
しかし、最初にこれと決めた道にすすんで、そのまま一生を終えることが出来る人ばかりでもありません。いったん大卒資格不要の道に進んだとしても、途中で自分の進路を変更する時に役に立つこともあります。
私も社会人になってから大卒という資格が日本語教師の資格を取るのに役立ち、運よく在宅の仕事を得ることができました。
その資格を取るために大卒資格を通信で取っている友人もいましたが。逆に言えば、大卒資格だけが欲しければ、通信や夜間でいいんです。
ただ、これは大学進学の目的が「その大学を卒業しないと就けない仕事につきたくなる可能性があるから」という場合。
大学の進学の目的はそれだけではないですよね。
大学進学は何のため?
大卒資格がないと就けない仕事に就くため?
うちの子は将来、将棋士になりたいそうで、学歴は不要ですが、それでも多くの人がいく大学に行って学んでみたいそうです。
まぁ、なれる可能性は限りなく低いので、その方が無難ですが…。
他にも電車の運転士やサッカー選手などいろんな夢を抱えていますし。
それに、そもそも大学は最初からただ大学に行きたいという動機だけでもいいと思っています。
大学は専門的な職業の専門学校でも職業訓練校でもないんです。(医学部などは別ですけど)
大学は、大卒資格がないと就けない仕事に就くためのに進学する学校ではないんです。
興味のある分野について深く学びたいという動機だけで充分。
ご高齢になってから、仕事に関係なく、ただ自分の興味のある分野を学び直しに入学される方もいますよね。
それに、仕事に直結したり、すぐに社会に役に立つ勉強ばかりではないのが大学。
学生生活の中で学ぶことも多々あります。
こんな大学もあります。
有名大学への進学が職業選択の範囲を狭める可能性もある?
有名大学への進学が選択範囲を狭めるという考え方もあります。
確かに、有名大学へ進学しても望む会社に就職できない場合があります。
その会社が望む人物像が有名大学卒ではない場合、まず無理です。
実際に「うちは大卒は採用しないんだ、女の子は短大卒だけ。給与体制がおかしくなるから」(←ハッキリ言ってくれる方がわかりやすくていいですけど、明らかに男女差別ですよね)という会社もありました。
しかし、逆もあります。
その会社が望む人物像が有名大学卒の人だった場合、そうでなければ採用されません。
ネエサンが「例え前職が医者だろうが一流企業だろうが運転手にはなれない場合もあります」とブログで語られていたのはそういうことだと思います。
勝手な解釈ですみません。
また、親が反対しなくても、本人が「せっかくこんなに時間と労力をかけて有名大学の学歴を手に入れたのに、それを生かさない仕事に就くなんてもったいない」という気持ちがおこる可能もありますよね。
何か資格を取得したら、その資格を生かした仕事につきたいというのと同じです。
でも、それは気持ちの上でのこと。
資格がないから物理的に無理という状況の人に比べれば、選択肢はあると言えると私は感じます。
自ら進学を望まない子も大勢いる
こんな風に職業の選択肢が増えると思われる大学進学も、自ら望まない子もいます。
進学不要の進路をしっかり決め学校の勉強以外のことをしたいタイプ
先ほどもとりあげましたが、藤聡太さんも将棋士として生きていくと決め、高校中退されましたし、
ネエサンのお嬢さんのように大学進学不要な進路をしっかりと決めていて、ご本人が進学しないという固い意志をお持ちの方もいらっしゃいますよね。無駄なく最短ルートで自己実現ができて素晴らしいと思います。
真面目に勉強をしすぎて勉強がイヤになったタイプ
小学校からの仲のよい友だちひとりが、「もう勉強をしたくないから商業高校に行ってどこかに就職する」と言い、本当にそうしました。面倒だな、これは不要だと思ったらサボる私と違い、とても真面目で大量にコツコツ勉強するタイプで成績も悪くなかったのですが、もう学校の勉強をしたくないからだそうです。
高校・大学に進学しても学校の勉強はほどほどにして学生生活を楽しまれている方も大勢いるのに…と、真面目過ぎるようにも思えましたが、それが私にはない彼女のいいところだとも思えて、ますます友だちが好きになり輝いて見えました。
とにかく早く社会に出たいタイプ
また、学生時代に家庭教師(質問や問題を解説するお姉さん的なもの)をしていた子がとても真面目で、自主的に勉強されていて成績優秀だったのですが、「早く社会に出て働きたい、学校の勉強は高校まででいい。商業高校に行って就職する」と、いい成績をキープして商業高校に推薦で入りました。(商業高校以外のどの高校でも推薦で入れたと思います)
特殊な仕事ではなく、一般的な会社に就職して、結婚・退職・出産し、今も経済的にも精神的にも満たされた幸せな生活をされています。勉強が特に苦でもない様子だったし、特に経済的に苦しいご家庭でもなく、正直言ってどこにでも進学できるのにもったいないと思いましたが、彼女の場合「早く社会人になりたい」という気持ちが勝っているようでした。
子どもの教育は平等に
教育にかける親の時間と労力と費用は
ネエサンのブログの「親も協力して ずーっと親子で頑張って来ました」という場合でも?という投げかけから、教育にかける親の時間と労力と費用についても少し気になりました。
ご両親のいない子も
大学進学に限らずなんでもそうですが、本人の時間と労力はどの人もかけることができますが、親の時間と労力と費用は、どの子もかけてもらえるわけではありません。それぞれの家庭の事情だけでなく、そもそも親がいない子たちだっているんです。
志田恵 (id:Megumi_Shida) さんのブログを読んでいて気付かされました。
普段、親がいる子としか日常で触れ合っていないので忘れがちですが、ご両親をなくされ施設で育っている子たちだっています。
志田恵さんは児童福祉の仕事をされていて、すごい人の話、子育ての話や心理学の話などについてまとめていらっしゃいます。
志田さんのように勉強熱心な施設の方が充分に子どもたちのお世話をして下さっているとは思いますが、人数が多いので一人一人に時間をかけるのは難しい気がします。
もっと学習材料を学校に
施設で育っている子たちだけでなく、経済的に恵まれない環境の子の場合、教材も学校からもらう教科書しか手元になく、進学や就職のための学習も不自由するでしょう。
だから、もっと多くの教材を子どもたちの身近に置いて欲しいと次の記事を書きました。
手のかかる子もいるし、あまり子どもに関われない親もいる
親の時間や労力…つまり「親の子どもへの関わり」は、あまりなくても大丈夫という子もいます。むしろ関わりすぎない方がいいというタイプの子も。
しかし、「子どもへの関わり」が少ないと成長が難しい「手のかかる子」タイプもいます。
受験に関しても、
しっかり保護者が関わるのがいい方(ひめぐま(id:himegumatan)さん)、
お子さんが完全に一人で教材を探して勉強されるのがいい方(たよらこ(id:tayorako)さんのお子さん)
と、様々です。
親が関わる代りに、塾に関わってもらっている方もいらっしゃいますね。
完全に塾に任せている方から、一部お願いしますというスタイルの方まで、これも様々。
また保護者によっては、仕事や健康上の問題などで子どもにガッツリ関わるのが難しい方もいますし、この辺りは難しいところですね。
各ご家庭で「丁度いい」関わり具合を探っていらっしゃることと思います。
しかし、「ずーっと親子で頑張って来ました」というガッツリ関わるタイプのご家庭だと、「せっかく頑張ったのにもったいない」という気持ちも出てくるでしょうね。仕方のないことですが。
「みんなと同じように大学に行きたい」
先ほど書いたように、いろんな理由で自ら進学を望まない子も大勢いますが…
親世代の祖父母の時代だったら、大学は特別な人だけが行くところでしたが、今は高卒は当たり前、大学院だって普通に行く時代です。
経済的に厳しい場合、働きながら通信・夜間大学で学ぶという方法もありますが、小学校・中学校と同じように、本音を言えばみんなと一般的な大学へ進みたかったという子もいるのではないでしょうか。
子どもによっては逆に高校は通信がいいという子もいるようですし、学びは多様化してきてはいますが…
大学まで学費が一律無料だったら?
経済的に恵まれない子どもたちのそういう問題を解消するべく、令和2年4月から次のような支援制度ができました。
しかし、この修学支援制度は年収の要件が厳しく、利用できる方は少ないです。
修学支援制度が利用できない年収のご家庭だって進学にかかる費用負担は大きすぎます。
一時期、コロナで大学に行っていないのに学費を通常通り納入させるのはおかしいと声を挙げられている方が多数いらっしゃったのは、キャンパスライフを重視されていたというだけでなく、学費が少額ではないからです。
100円200円くらいのことだったら、まったく無意味な出費でもそんなに気にならないはずです。
大学進学のために、子どもが産まれた時からコツコツ教育資金を貯蓄されているとは思いますが、老後の貯えも必要ですし、子どもの結婚資金・開業資金などお金はいくら残しておいてもいくらでも使い道はあります。特にコロナなどで家計が急変し、進学費用を用意するかどうか迷う時、「みんなと同じように大学に行きたい」というだけでは学費は出せないというご家庭もあるのではないでしょうか。
子どもだって「ある分野について大学で深く学びたい・大学生活を送ってみたい・もっと一般教養を身につけたい・進路をじっくり考えたい」どれも贅沢なことだとわかっているはずです。進学するには多額のお金がいるとわかっているから、進学したいと思っていても言い出せないかもしれません。
給付型の奨学金もありますが、ごく一部の成績優秀者のみが対象だったりしますし。
しかし、もし、大学まで学費が一律無料だったら…?
もし学費が無料だったら、最初の方に書いていた「こんなに費用をかけたのに、その大学を出なくても就ける仕事につくなんてもったいない」という心理的な負担も減ります。(時間と労力の方のもったいないはどうにもなりませんが)
世界には大学の学費が無料という国もあるようです。
スウェーデン市場調査 | 北欧の教育大国・スウェーデンの今 | ヨーロッパ・ロシア | 各国情勢コラム|海外市場調査ならグローバル マーケティング ラボ
スウェーデンでは私立も…無料で大学教育が受けられる7カ国 | Business Insider Japan
【大学が無料な国10カ国】 留学生も安い! 日本の学費は世界的にみても高額
⇒【大阪府】私立高校の学費と2020年度からの私立高校実質無償化|大阪府 最新入試情報|進研ゼミ 高校入試情報サイト
今は大学もおおよそ半数以上の人が進学するするようになりました。
いずれ、子どもが高校を卒業するころは、大学も高校のようにほとんどの人が行くようになる気がします。
そうなったら…貧富の差が問題になり、いつか現在の私立高校の授業料の負担軽減制度と同レベルまで、大学の学費も負担軽減されるようになるのでしょうか。
これまで高校に進学する時、目的意識を持って進学する人はあまりいませんでした。
それと同様、大学も特別な目的意識がなく進学しても、そこで得られることはある気がします。
また、逆にもっと早い段階の小学生から目的意識を持って中学に進学する人たちもいます。
例えば、大阪市の公立中高一貫校。
「ものづくり」(ロボット工学などの理工系)分野
「スポーツ」分野
「言語」分野
「芸術」(美術・デザイン)分野
この4つの分野で募集があって、それぞれの専門分野の試験があり、中学から専門的な学びができます。
体操で日本トップクラス(全国大会2位3位)の実力を持ちオリンピックを目指している知人のお子さんがこちらの「スポーツ」分野に入学しました。
早くから自分の道を見つけて素晴らしいと思う人が多いと思いますが、ただ偶然自分の才能に気付き、やりたいことが見つかっただけで、彼らが特に優れているわけではありません。ただ早くから自分が夢中になれることを見つけ、目的意識を持って深く学べる環境にいる幸せな子たちです。
早くからあれこれいろいろやってみても、運悪く、やりたことがすぐに見つからない、いつまでたっても見つからない人もいます。そういう大きな目標がみつからない人たちにも大学で学ぶ権利はあり、実際に「大学でやりたいことを見つける。将来の進路を考える」という状況で入学する人がたくさんいますが、それが悪いことだとは、私は思えないです~!
ブックマークでたくさんの温かいコメントありがとうございました。
いろんな考え方があり、それをお互い尊重しあっていけたらいいですよね!
3つのカテゴリーに参加しています。
いつも応援ありがとうございます!!