小学校高学年になると人間関係が複雑になる
友だちとの関りが深くなる時期
小学校中学年(3年生・4年生)は、お友達との関わりが深くなっていく時期です。
そのことを、次の記事にブックマークコメントを頂いて気付き、以前、追記しました。
うちの子はゆっくり成長するタイプなので、今のところはそれほどでもありませんが、その後、高学年になると友達関係が複雑になってトラブルも複雑化してくる話も聞き、今後待ち受けているであろう人間関係の複雑なトラブルが気になっていました。
夫にそのことを話し、「人間関係について学ぶいい本ないかなぁ」と言っていたためか、次のような本を図書館から借りてきてくれました。
教育系の本で有名な斎藤孝先生の本です。
「『友だちってなんだろう?』ひとりになる勇気、人とつながる力」とは?
どんな内容か?目次は?
本を開いてすぐ目に付くのは、「友だちづきあいを無敵にする3つの力」。
①「気の合う友だちをつくる」力
②「気の合わない相手ともうまくつきあう」力
③「ひとりを楽しめる」力
カバーを折り曲げてある部分に書いてあります。
おおまかに、この3つの力をつけていく方法がかかれているんだろうと見当がつきました。
目次は…
第1章 「友だち」ってなんだろう?
第2章 気の合う友だちは「好きなもの」つながりでできていく
第3章 「ひとりになる勇気」をもつにはどうすればいい?
第4章 友だちが離れてしまう理由、気づいてる?
第5章 「ノー!」と言わなきゃいけない関係もある
第6章 友だちってやっぱりいいものだ!
付録 「心の距離」を縮めるための7つの作法
(友だちってなんだろう? | 株式会社誠文堂新光社より引用)
どの章もなかなか気になるタイトルがついています。
小学生向きではない?!
小学校へ入る時「友だち100人できるかな~♪」の歌を歌って入る子も多いと思いますが、第1章「『友だち』ってなんだろう?」の目次部分には、
「友だちの多さは意味がない」こと、「みんな仲良くでなくてもいい」ことが書かれています。
≪え、もしかして、小学校の指導と相反することになるので、小学生には不向き?!≫と思いきや…
「合わない人ともうまくつきあう」力をどうやってつけるか、また、「また会いたい」「もっと話したい」人になるためにはどうしたらよいか、ということも書いています。
☆みんな仲良くでなくてもいいけれど、上手く付き合う力を手に入れよう。
☆友だちは多さは意味がないけれど、また会いたいと思われるような人になるといいね。
そんなことが言いたいんだと気が付きました。
ちょっと複雑なことが書いているので低学年向きではないですが、高学年の子なら理解できるはずです。
一生使える無敵の「人間関係術」!大人もスッキリ!
読みすすめると…なかなか読み応えのあるものでした。対象は10代のようですが、大人も読んですっきりする人が多いのでは。私の考え方もこの本の内容とほぼ同じです。
出版社のサイトにこの本のページがあり、
上手に内容をまとめていらっしゃったので、引用させていただきます。
だれとでも友だちであろうとしなくていい。
楽しくて、笑顔になれる「気の合う人」とだけ、友だちになればいい。
ただし、「気の合わない人」とも、いがみ合わず、傷つけあわずに共存していけるよう、人づきあいのスキルをみがこう。そして、このふたつの対人関係力だけではダメで、大切なのは、自分の世界をもち、「ひとりを楽しめる」力をもつこと。
これからの時代を生きていくうえで重要になるのは「主体性をもつ」ことです。
主体性の根幹にあるのが、「ひとりになる勇気」なのです。
ひとりになることを怖れない心、ひとりを楽しめる心。
それは人とうまくつながるための大切な要素であると同時に、主体的な生き方の軸なのです。
「ひとりを楽しむ力」をもつことで、人に頼りきらない関係を築けるようになるのです。
(友だちってなんだろう? | 株式会社誠文堂新光社より引用)
「ひとりになる勇気」「ひとりを楽しめる力」「主体性をもつ」どれもこれからの時代に必要なことです。
誰かをいじめるなど悪いことをする集団からきっぱり抜ける勇気、つまらない同調圧力に屈しない勇気を持つ人が増えるといいですね。
出版社のサイトには、さらに本に書かれている具体的な内容が書かれていました。
【本書の内容の一部】
・自分の課題、他人の課題を区別する
・「みんな友だち」「みんな仲よく」でなくていい
・友だちの「多さ」は意味がない
・いまがすべてじゃない、友だちとは流動的なもの
・好きなものをあいだに置く「三角形の関係」
・友だちよりも、仲間をつくろうよ
・学校の外に目を向けてみる
・「能動的ひとりぼっち」状態を手に入れる
・きみは「ひとりになる勇気」がある?
・「犀(さい)の角のようにただ独り歩め」
・「友だちだから言うけど」は鋭い刃
・失礼なことを言われたときに、「かわす」技術があるか
・「ノー!」と言わなきゃいけない関係もある
・人をいじめてしまう危険性を、みんな潜在的にもっている
・後悔も、自分の背中を押して次に進むパワーにできる
・「心の距離」を縮めるための7つの作法
だいたいの内容はこれで把握できると思いますが、本書では筆者自身が経験したこと、いろんなエピソードや有名な本に書かれた言葉に絡めて書いているので、より説得力があります。
一度手に取ってご覧になってみてください。
本の帯に「一生使える、無敵の『人間関係術』をきみに!」と書かれていましたが、「ひとりを楽しめる力」を持つと、本当に「無敵」ですね!
※あえて言わなくてもお分かりかと思いますが、友だち・人に依存するのではなく、ひとりも楽しめる力が大事というだけで、何も独りぼっちがいいと言っているわけではありません。仲間を持ち、人とつながりを持つことの大切さも説いていらっしゃいます。
子どもの反応は?
まだ対象年齢ではなく、タイトルに興味がなかった
肝心の子どもの反応ですが、最初は本が地味なので見向きもしませんでした。
一度にたくさんの本を図書館からかりてくるので、他の派手な表紙の本に気をとられて、そちらを読むので忙しかったというのもありますが、表紙のイラストは白黒ですし、中身は文字ばかりなんです。
大事なところが太字になっているだけ。
うちの子はこういう本でも宇宙系のタイトルなら飛びつくのですが、このタイトルにまったく興味がないらしく、ほったらかしにしているようでした。
小3にはなっていましたが、この本をかりた当時はまだ8歳で対象年齢の10代でもないし、もともと実年齢より幼く、ゆっくり成長しているタイプ。まだ早かったのかもしれません。
親が解説しながら読んでみる
図書館でかりた本だし、別にそのまま返してもいいんですが…返却期限が迫ったある日、思い切って話をしてみました。
≪一番、息子に伝えたいところはどこだろう?≫と考えるとやっぱり本の後ろの方。
後ろの方の章を、息子がおやつを食べている間に自分や息子の生活に結び付けて解説しながら音読していくと、目がキラーンと光りました。
≪新しい考え方に触れた≫という顔。忙しかったので、その部分だけで終わりにしようと思っていたのですが、「もっと続き読んで~!」との声が。
全部読んで欲しがる!
「自分で読めばいいでしょ?」と言うと、「ママに話しながら全部読んで欲しいんだ」と言われ、そのまま最後の章から最初の方へさかのぼるように読みすすめていきました。
残念ながら、時間切れで最初の章までたどり着きませんでしたが、しっかり子どもの心には響いたようです。親の解説がちょっとあれば、幼い子も理解しやすいのかもしれません。
将来、人間関係につまずいた時に
次は自分で、将来、人間関係につまづいてこの本のタイトルに興味を持った時、また読んでくれたらいいかなぁと思っています。
悩んだときに、こういう考え方の本もあったなと頭の片隅にでもあればいいですよね。
親の考えも本があれば説得力が増す
私はこの本の考えとほぼ同じで、常日頃、親として子どもに伝えたいと思っていましたが、何も材料がないと伝えにくいので、この本と出会えてよかったです。それに、親が自分の経験に基づいて話をするだけだと説得力があまりないかもしれませんが、この本と共に話をすることで、本を書いた筆者もそう考えているんだと子どもに伝わり、説得力が増した気がします。
斎藤孝先生は心の教育系の本をけっこう出されていて、過去にも紹介しています。
ご興味のある方は一度ご覧になってみてください。
☟下のバナーをクリックしてくださると嬉しいです。
3つのカテゴリーに参加しています。
応援ありがとうございます!