東大寺学園の学校説明会・学校見学会・体験授業へ行ってきました。すっかり寒くなりましたが、真夏のことです!
「有名な『東大寺学園』って、実際にはどんな学校なんだろう?」と見学に行き、見聞きしたこと、思ったことを素直に書いていきます。
学校はどこにある?
東大寺学園ってあの奈良の大仏様の学校というイメージですよね。でも、HPを見ると奈良市山陵町1375となっていて、東大寺の大仏様の近くではありませんでした。
最近はグーグルの経路案内などですぐに行き方がわかりますが、最寄り駅は近鉄高の原駅。イオンの方へ行くとバスターミナルがあり、東大寺学園行きのバス乗り場は駅から一番近いなのですぐにわかりました。
5番乗り場のバスは東大寺学園方面と書かれていて、止まるバス停は東大寺学園のみ!奈良交通のバスですが、スクールバスのようなものですね。
歩いて行く行き方もHPの「アクセス」ページにありますが…ちょっと不慣れな地域なので私たちは迷わずバスへ!通学にしか使われないので、昼間の時間は基本的にありませんが、バスがおすすめです。(行事があり、利用者が見込まれる場合は臨時バスが出されるようです)
学校説明会
会場の様子と配られたもの
説明会用の臨時バス便だからか、バス停ではなく門の中にまで入ってくれて、バスから降りるとそのままみんなゾロゾロと説明会の会場へ。
立派な美しいホールに案内され、こんなクリアファイルが配られました。
奈良の伝統的なお寺の学校という感じですよね!
パンフレットや資料も配られました。左は4年ほど前に合同進学フェアで配られていたパンフレットだったと思います。
「道の色が変わった?」と思いませんでしたか?
本物の道は薄い青色だったので、左のパンフレット写真はわざと色を濃く撮ったんだと思います。…もしかして、4年前は濃い青色で、自然に薄い青色になった?それだとびっくりですね。
会場は、もともとあるホールに備え付けてある座席数より多い人数が来られるようで、脇にパイプ椅子も並べられていました。精一杯の人数を受け入れて下さったようです。
幼児教室からのママ同士お友達というようなキラキラ親子ペアから、見た目をあまり気にしていない庶民的なパパ&息子まで様々。幅広い層の保護者が来られていました。
ホールのステージの真ん中には立派な仏像があるそうですが、最初からスクリーンが下りていて、この日は見ることができませんでした。
下にも置かぬもてなしぶりで、笑いを交えながらのトークが始まり、子どもも喜んで聞いていました。
人数は?
募集人員は200名。高校からの募集は停止しているので、中・高とも1クラス40人、1学年5クラスだそうです。1クラスの人数はもう少し減らしてくださってもいいのにな…と思いますが、学年の数としては、多すぎず少なすぎず、ちょうどいいですね!
校風は?
今流行のチャットGTPに「東大寺学園」のことを聞いてみたら、自主自律の精神の自由な学校だと出てきたそうです。校則や制服がないことからそう判断したのではないかとおっしゃっていました。
さらに、≪東大寺学園は男子のみで女子の厳しい目がないから、裸で走り待っている子もいる。男子だけの自由を6年間のびのびと満喫できる。自然の中で、自分の好きなことに没頭できる。将来、何かの研究者になるような子を応援している。オタク歓迎です!≫というようなお話もされていました。
確かに山の中なので、自然があふれていて、動植物がそろっていて研究材料が豊富。その分野の研究者を目指す人に最良の環境かもしれません。(うちの子は物理・科学系が好きで動植物に無関心ですが…)
京大現役進学率No1
雑誌に京大現役進学率No1だと雑誌に取り上げられたこともあるそうです。気付かなったので、調べてみました。先生がご覧になった雑誌とは違うものだと思いますが、次のようなサイトがありました。
「合格者数」は、1人が1大学に複数合格した場合、全ての数をカウントする。一方で「現役進学者数」は合格者が現役進学した場合にのみカウントする。この現役進学者数を卒業生数で割って、パーセンテージ(%)で表したものが現役進学率だ。
1位は東大寺学園(奈良)、2位は北野(大阪)、3位は甲陽学院(兵庫)、4位は灘(兵庫)、5位は洛星(京都)。
(【2022大学入試】京大現役進学率ランキング 1位は東大寺学園、2位は北野、3位は甲陽学院 | 大学通信オンラインより引用)
調べていて気付いたのですが、インターエデュでは東大寺学園がランキングから漏れています。
どこまで行っても「東大寺学園」の名前が出てこないので、単なる掲載忘れだと思いますが…わざと外しているんだったらイヤな感じですね!
今、浪人する人は減っているし、精神的にも経済的にも負担が大きいので浪人は避けたいところ。「現役合格」という言葉にグッとくる保護者も多いのでは。
通学平均時間は?
通学平均時間は1時間半。2時間超えている人もいて、滋賀県草津市・名古屋・神戸・岡山・堺市と広範囲から通学されているそうです。寮がない上、アクセスもそれほどよくないので、自然と通学時間は長くなると思います。
毎朝のショーホームルームは8:30~。6時間目は15:10まで。クラブは平日は17:45まで、土曜は16:45までできるそうです。それほど遅くまで学校に居残る必要はないから、遠方からも通学が可能だというようなお話でした。
東大寺の聖武祭に参加できる!
東大寺学園の生徒さんは、5月にある東大寺の聖武祭で列を作って歩くお坊さんに赤い傘をさして歩く役をいただけるそうです。東大寺学園に入らないとできない、他校ではできないことのひとつですね。私はこういう行事ごとが好きなので、ここに思いっきり心惹かれましたが、息子は「だだ、傘さして歩くだけでしょ?」と、冷めた様子。歴史の教科書にも載っている東大寺の行事に参加できるって嬉しいことだと思うんだけどなぁ。
先生方の雰囲気は
人によって感じ方が違うと思いますが、「伝統名門校」のイメージと違っていい印象を受けました。他の学校の先生のように馬鹿にされないように虚勢を張ったり、学校のしきたりを押し付けたりする感じもない。
内部では先生同士でいろいろあるかもしれませんが…少なくとも説明会に来た保護者に対して「もてなす」心を持ってくださっていて、ちゃんと気遣いしてくださいます。なんとなく遠縁の親戚の目上の人と接する感覚になって、親しみを感じました。(個人的に相性が良かっただけなのかもしれません)
話もジョークをまじえて進む感じで良かったのですが、なぜか話の最後に保護者たちの拍手がない!私も高偏差値帯の学校だから、保護者や先生方も厳格だろうし粗相をしてはいけないなという意識があってある程度、緊張していましたが…みんな出方をうかがう感じで違和感がありました。
拍手をするシーンで他の学校は率先して拍手してくれる「さくら」のような人を混ぜているのかな?
部活
数々の実績があるとおっしゃていました。ロボットプログラミングで、ドローン部門グランプリとか、将棋大会は団体で優勝したとか、ハンドボール部が意外と強いとか。パンフレットを見ればいろんな部活のものすごい数の実績が書かれています。好きなことに打ち込むお子さんが多いんでしょうね。同好会は確か5人そろえば同好会として活動できるから、ものすごい数の同好会ができては消えていくそう。中1~高3までの気の合う仲間たちの活動という感じでいいですね。
食堂
食堂はお弁当も販売しているそうで、食堂が混んでいても、お弁当を購入して食堂の外でゆっくり食べることができるそうです。「毎朝絶対お弁当作らなきゃ」と思わなくてもいいのがいいですね。
食堂となっているホールの上にベンチがある広場になっているので、そこで食べると気持ちいいでしょうし、雨の日は教室でゆっくり食べてもいいし。
アイスは生徒の要望で取り扱いをはじめたそうで、アイスを教室に持ち込まないルールを生徒たちが自分たちで決めたそう。なんでも先生が決めるのではなく、生徒たちでルールを決める校風のようです。
行事
楽しい行事を画像付きでたくさん紹介してくださいました。
高2の英国短期留学は今回、オックスフォード大学からケンブリッジ大学に変更になったと聞きましたが、私からすればどちらも有名な英国の大学。
北アルプス夏山登山(日本で5番目に高い槍ヶ岳に登るそうです)や聖武祭(東大寺の行事)の行列参加など、東大寺学園ならではの貴重な体験ができるようです。
文化祭の案内もしてくださったので、行ってきました。
長くなるので、次の記事に詳しく書きました。
学校見学会
学校見学として校舎をまわったはずですが、実はあまり記憶に残っていません。
他の学校では写真を撮っている方がたくさんいましたし、写真NGな学校なら事前にそうおっしゃってくださるので撮らないのですが…
こちらの学校では写真NGとのアナウンスがなかったのですが、誰も撮影しない!
子どもに「写真撮っちゃダメなところなんじゃ…」と止められ、写真もこの一枚しかありません。
ただ、教室がある古い方の建物(?)は年月を感じさせるもので、「男子校っぽいなぁ」と思っていた記憶は残っています。(改修工事中だったから?)
当たり前ですが私立の女子校によくあるキラキラ・かわいい系はなく、あちこちが「男子校」っぽい。大胆にプラスチックの大きなごみバケツを傘立てにしているところとか。
不必要なところに無駄なお金をかけないのはいいですけど、ちょっとびっくりしてしまいました。息子は全然気にならないらしく馴染んでいましたけど。授業さえしっかりしていたらいいそうです。それはそうですね。
あと、教室がある廊下に手書きで書かれた研究結果が貼られていた気がします。あちこちの学校でも研究結果が廊下に貼りだされていましたが、手書きでないものが多かったように思います。そのため、ちょっと古風な印象を持ちました。(もちろん東大寺学園もオンライン授業されますし、いろんな設備があります)
でも、校舎の入口前にある大佛様の分身が石板(?)に彫られている転心殿や食堂兼多目的ホール(自習にも使えるそう)である雑華ホールや、説明会会場となっていた圓融館ホールはピカピカ。特に雑華ホールはデザインもイマドキっぽい感じでした!
図書館も見学したと思うのですが…ずいぶんと月日がたってしまい、あまり記憶にありません。天井にシーリングファンがあるとか、おしゃれなランプがあるとか、そういう今どきのオシャレ図書館ではなく、スタンダードな内装の図書館だったので記憶に残っていないんだと思います。いただいた資料を見ると、蔵書は充分。パンフレットを見ると広さも充分あるように見えます。
体験授業
算数
体験授業はグループに分かれて受けました。算数は雑華ホールで行われました。
「授業」というより、中学受験の算数でいう「場合の数」的なゲームで、【先生と対戦して楽しもう】という形態になっていて、子どもたちが楽しめるようにされていました。今どきはよくグループ分けして、グループ内で話し合いながらすすめていくのが主流ですが…一斉授業の形式を保ち、子ども同士戦わせなかったのは、トラブルを避けるためだと思います。
ゲームは3種類用意されていました。手をあげて当てて欲しがる子がそれなりいましたが、運よく当ててもらって発言させてもらえて、息子は上機嫌でした!
でも、一番に手をあげ当ててもらったはずの子とは別の子が、自分が当たったと勘違いして発言してしまうということがあり、「次は君に発言してもらうからね」という無言の目配せがあったように思ったのですが…すっかり忘れてしまったのか、次もまた別の子を当ててしまうということがあり、その親子の意気消沈した雰囲気が…ちょっと見ていてつらくなりました。
理科
理科室で実験ショーのようなことをしてくださいました。うつわを逆さにしても水がこぼれないのはなぜか?のような気圧の関係のものなど複数の実験と解説がありました。
子どもはそういうのが大好きなので、ここでも当ててもらおうと前のめり。何を発言したのか忘れてしまいましたが、当ててもらえていたようです。小学校で、素早く目立つ手の上げ方をして、熱い視線を送るというような「当ててもらう技術」(?)を身につけたようです。
英語
英語の授業は説明会会場へ戻って行われました。「きらきら星」の英語版・AI翻訳版・日本語版を並べ比較し、英語版はたくさんの内容を盛り込める(1語の拍数の関係で)
ことを学び、日本語版製作の工夫に気付くという授業でした。
ここでも当ててもらって発言する授業でしたが、皆さん、お年頃で流暢に言うのが恥ずかしいのか、わざとカタカナ英語。息子はそんな空気なんてお構いなしで発言したので空気がカピーン。親は冷や汗をかきましたが、息子は≪僕はこんなにできるだよ~アピール≫ができてノリノリでした!
感想
子どもは一番のお気に入り
「オタク歓迎」自由な男子校ライフを楽しめそう
子どもは、東大寺学園が一番のお気に入りとなりました。理由は校則がない上、女子に気を遣わず自由な生活が送れそうだから。雰囲気も気に入ったようです。決め手となったのは「オタク歓迎」という言葉。世間からそんなことに費用も時間も費やするなんて無駄だと思われることも認めてくれる環境だと感じ取ったんだと思います。
自分好みの授業と先生
校則がない・男子だけの環境なら他の学校にもありますが、特に「東大寺学園がいい」となったのは、息子が自分の理想とする先生だったからかもしれません。
息子は多くのお子さんが思うように校則を押し付けられ、上からがんじがらめに指導されるのは好きではありません。でも、子どもの後ろに下がり助言する先生ではなく、【親のように自分と同じステージで一緒に頑張ってくれて、時には上から温かく導く】先生であって欲しいんだと思います。
東大寺学園の先生は「普段の宿題は少ないですが、夏休みの宿題はそれなりにあって、それを出さなかったらどこまでも追いかけます」という温かみがあるお話をされていたので。
そういう優しく子どもたちを見守り導く、温かみが感じられる人が先生の方がいい。子どものいくつかの発言から、そう思っているように感じられました。
体験授業は昔ながらの一斉授業スタイルのようで、イマドキの雰囲気はまったく感じられませんでしたが、息子はそういうのも好みのようです。基本的に小学校がそういう感じですし、それに慣れていますしね。
保護者として心配な点
女子の気持ちがわからない子にならない?
母親としては、近くの女子高と交流がある街中のオシャレ男子校と違って、山の中の人目を気にしない自由奔放な男子校というイメージを持ってしまい、
≪6年間はいいけれど、卒業したら女子もいる世界。女子が嫌がること(汗臭いままでいるとか)に気付かず、ご迷惑おかけする子にならないかな?≫と心配していたら、
グループごとに見学会へ行く途中、先生が「6年間自由に過ごした分、卒業後に女子から痛い思いをさせられますけどね」といった内容の話をチラッとされ、≪やっぱりそうよね…。でも人生の中で貴重な6年間となるなぁ…大学生になってから女子に慣れればいい?いやいや、高校生のうちから…≫なんて思ってしまいました。
そんなこと心配していたらきりがないですけど。
通学がしんどいかも?
実は、中学受験を考え始めた当初は考えてもいなかったくらい遠いんです。通学って、遠くても乗り換えなしの一本だと楽ですよね。でも、乗り換えがかなり必要なんです。
乗り換え駅の西大寺駅は都会的な雰囲気で驚き、最寄り駅の高の原駅はレトロで驚きました。
西大寺駅の案内ロボット。
なんと指紋認証改札の実験中!
高の原駅の案内板はパタパタ方式!
電気で文字が光るタイプじゃないんです。電車好きの息子はこの高の原駅の滅多に見ることができないこの電車の発車時刻、行き先表示板にも大喜び。もちろん、西大寺駅の乗り換えも嬉しそう。
でも、楽しいのは最初だけで6年も通うと飽きてくるし、乗り換えるのが面倒になるのではないかぁと思えてきて。
高の原駅からまださらに歩くかバスに乗ることを考えると、結構大変ですよね。
乗り換えの西大寺駅のホームは人であふれ、ホームから人が落ちそうなほどだと聞いたことがあるような気がしますし。人の多い駅には慣れている方だとは思いますが、ちょっと気がかりでした。
野生動物が出る?
文化祭の理科部の生物関係の展示で小動物の骨格標本があり、その骨が本物だと聞きびっくりしました。学校の近くでお亡くなりに(!)なっている虫や動物を標本にするのだとか。毒蛇まで漬けられていて、これも学校の近くで捕ったと涼しい顔で生徒さんがおっしゃるので、そういうのが苦手な私はかなりひいてしまいました。
息子は化学・物理系は好きだけど、動植物には詳しくないし、自然に慣れていないから自然系の危険を察する力もない。大丈夫?という気分になって。
親である私だって子どもの学校行事で学校へくるたびに、ビクビクすることになる。だから、ちょっとあまり嬉しくないなぁ…と思ってしまいました。
※追記です!ブログを読んでくださった方から動物に遭遇したことがないというコメントをいただきました。自然豊かな環境ですが「動物がたくさん出る学校!」というわけではないようです。すみません。
ブログ拝見しました✨️
— note_2026中受 (@_aoi_note_) November 7, 2023
動物たちに遭遇したことは今のところないので安心してください😂
こんな風にイロイロ心配な点がありますし、イマドキの新しい改革をドンドンすすめる学校!という印象はありませんでしたが、昔ながらの雰囲気で安心感がありました。我が家的には全体に好印象です。
どうでもいいことなのですが、見学会の帰り、高の原駅前のイオンモールでご飯を食べ、
ウロウロしているとストリートピアノを発見!
立派なグランドピアノなのにみんな素通り、弾いていても、無関心。うちの子の場合、神戸のストリートピアノで弾くと必ず拍手やお褒めの言葉をいただけて恐縮するのですが、全然そんなこともないんです。
こんなに人目を気にせず弾けるなんて…穴場かもしれません~!
そんなところに魅力を感じてどうするんだと思いますが、東大寺学園いいね!ポイントに入りました。
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