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子どもの優しい言い方「よばれてね~」(たべてね~)
子どもにお菓子をひとつ買ってあげました。
私はお腹がすいていなかったし、コーヒーだけで充分。
子どもが欲しがって買ってあげたものだから特に欲しいとは思っていなかったんですが、
「どうぞ、どんどん、よばれてね~」
と、差し出すんです。
「食べてね~」じゃなくて、「よばれてね~」がなんだか田舎のおばあちゃんのようなやんわりとした口調だったので、思わず
「●●ちゃんの言葉、優しいね。あったかい気持ちになった。」
と、言うと、
「それは『ふわふわ言葉』だからだよ。」
と自慢げに言う。
そこから、「『ふわふわ言葉』って何?」と話ははじまりました。
「ふわふわ言葉」と「ちくちく言葉」の意味
ネットで調べると、「ふわふわ言葉」と「ちくちく言葉」を題材にした道徳の学習指導案があったり、人権作文があったりと、わんさか情報がありました。小学校の低学年の道徳の授業で習う言葉だそうです。
「ふわふわことば」は言われると嬉しい言葉で「ありがとう。ごめんね。すごいね。かわいいね。一緒に遊ぼう。元気だね。仲良くしようね。大好きだよ。楽しいね。嬉しいね」。
「ちくちくことば」は言われると悲しい言葉、傷つく言葉で「バカ。あほ。デブ。ブス。死ね。キモい。ウザい。臭い。そんなことも知らないの。一緒に遊ばない。どっか行け」などです。
大人の世界ではポジティブストロークとネガティブストロークと難解な言葉に置き換わってしまいますが、低学年向けに分かりやすい言葉の「ふわふわことば」の方がなんだか素敵な感じがします。家庭や職場などでは「ちくちくことば」を見聞きすることが多く、実は、大人にこそ「ふわふわことば」が必要なのではないでしょうか?
(自己肯定感が高まる「ふわふわことば」と低くなる「ちくちくことば」 | 一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会より引用)
入学してまだ一か月ちょっとですが、息子も「ふわふわ言葉」と「ちくちく言葉」というのを小学校で習ったそうです。
私も昔、「言葉には力があるから、良くない言葉・否定的な言葉を言ったり言われ続けてはいけない」と、どこかで(母親から?学校で?)習ったような気がしますが、小学校1年生ではなくて、もっと大きくなってからだったと思います。
今はなんでも早く教えるんですね!それにかわいい表現。「ふわふわ言葉」「ちくちく言葉」なんて。
問題文の「~なさい」・「~ましょう」
大人になると「ちくちく言葉」に対して感覚がマヒするというか…
<こんなことまで「ちくちく言葉」?>と思ってしまうものも、子どもにとっては「ちくちく言葉」なんだそうで、
息子にとって「~なさい」は「ちくちく言葉」なんだそうです。
さっきの「どうぞ、どんどん、よばれてね~」を「どうぞ、どんどん、たべなさいね~」にしたら、なんか少しキツイ感じになるというのはわかります。
でも、ワークや教材の問題文の「~なさい」まで、「ちくちく言葉」で良くないと言うんです。
受験用問題集
トップクラス問題集の問題は「~なさい」。
↓この記事に書いていた本です。
購入直前に【これは「~なさい」と書いてあるからいけない】と言っていたのは、そういうことだったのか…と、今頃わかりました。(他の同様の問題集も同じような書き方で、結局この問題集が良いと本人が決め、少しずつ取り組んでいます。)
※受験用の問題集ですが中学受験を決めているわけではありません。
「~なさい」は、こういう問題の世界では当たり前。入学試験や検定試験にだって平気で出てくる言葉です。いつかは慣れて欲しいと思うのですが、
幼児期から続く【進研ゼミ小学講座】 (赤ちゃん~幼児用の「こどもちゃれんじ」は小学校へ入ると「進研ゼミ小学講座」へ移行されます)や【まなびwith】といった通信教育の問題文は、小学生のコースになっても「~ましょう」のままなんです。
幼児期から続く通信教育
【進研ゼミ小学講座】の「チャレンジ1年生」
【まなびwith】の「小2コース」
さすが、子どもの心をとらえて離さない通信教育!「ちくちく言葉」なんてないし、どれもあったか~い気持ちになる紙面。
受験生や大人がギスギスしているのは、「~なさい」に代表される大人や本人たちが気付かない「ちくちく言葉」に囲まれているからかもしれないですね。
いつか子どもが受験生になったら、あたたか~い空間づくりや言葉がけに精を出そうと思います。
お年寄りの優しい「ふわふわ言葉」を、次の世代の子どもたちに託して
この出来事を夫に話すと、「よばれてね~」は方言だ、私や私の母が使っていたというんです。
けれど、いつも私は「たべてね」の方を使いますし、私の母は遠方に住んでいるので滅多に会いません。受ける影響は少ないはずです。(私の母や祖母は使っていました)
じゃ、小学校で学んできた言葉ではないか?大阪弁だろうと言われたんですが、
関西で年配の方が「食事(ご馳走)に呼ばれる⇒ご馳走になる⇒食べる」という意味で使うことがあるのは確かですが、他の地域でも見られます。
あちこちで使っていることがわかります。
↓
方言は方言だけど、大阪の方言というより、お年寄りが使う昔ながらの優しい言葉!
たぶん、小学校の読書ボランティアの方が高齢であったり、地域のお年寄りとの交流会を小学校で実施していて、そこから学んできた言葉なんだと思います。
小学校で優しいお年寄りとふれあい、こういう古いけれど心が安らぐ「ふわふわ言葉」を子どもたちが受け継いで使い、残していって、
「ふわふわ優しい気持ちいっぱいの日本」になるといいですね。