今回は小学生国語の読解を論理的に解くトレーニング本(問題集やワーク)について書いてみたいと思います。
【出口式】は昔から定評がある
出口式の歴史は長く10年以上前から論理的に解く国語問題集を発行されています。
大手進学塾で使われている『論理エンジン』は物語文が楽しめる
出口式で一番最初に出された本です。
論理的に解く読解トレーニング本で昔から有名な本です。先日、中学受験で有名な大手進学塾に通う小学1年生の子を持つママに、今、塾ではどんな教材を使っているか教えてもらったのですが、その中にこれも含まれていました。
最初に物語文全文があり、次にその物語をいくつかに区切って問題を出す形式。だから、物語が楽しめます。
絵柄が古いのが玉にキズ…ですが、この挿絵があるのないのとでは、子どもの受け取り方が全然違うと思います。
寝る前に読む本の感覚で読めます。
小さな時からある読んでいるこの本に収録されているイソップの「つるときつね」も、『論理エンジン』に出題されていました。
子どもが喜ぶダジャレの話もあり、日記文・説明文なども掲載されています。
この問題をする時は、お勉強タイムというより、遊び時間になっています。
内容はすごくいいのですが…この問題集、3分の1が保護者向けの解説です。解答の下にものすごく詳しく書いてくださっているのですが、あまり読まずにサクサク終わったので、この分、問題を増やして欲しかったなというのが保護者としての正直な感想です。
論理的に解くということがわかりやすい『はじめての論理国語』
2016年に発売された比較的新しい問題集です。
- 価格: 1320 円
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『論理エンジン』と違って、短い文をいくつも使って具体的に論理的に文を見る入門書。語の分類、文の構成、つなぎ言葉へとすすんでいきます。
文字も絵も解答欄も大きく綺麗なカラー紙面。
アマゾンのレビューに入学前に取り組んだと書いてあったので、難易度が低いだろうと『論理エンジン』より先に取り組みました。
小1用で、「はじめての」がつく本なので、本当にまったくワーク類に取り組んだ経験がない子どもがスムーズに取り組めるようにしてあるのでしょう。最初は本当に簡単で、8章くらいから始めても良かったかなぁという気分でした。
幼児向けのお勉強経験のある子なら、幼児さんでも楽しく取り組めると思います。
よくわからないキャラクターがたくさん出てくるのですが、息子はマーロンというキャラクターが気に入ったらしく、ものすごく喜んでいました。
外出先の待ち時間に楽しくでき、あっという間に終わってしまいました。
でも、このおかげで、他の問題集の問題を取り組んだとき、なぜ「だから」を選択したのかなどをこの本に書いてあった通りに嬉しそうに説明してくれるで、やっておいて良かったなと思いました。
保護者向けの説明も掲載されていますがそれほど長くなく、シンプルにまとまっています。
解答は別冊になってあり、ちょうどいい量です。
出口式の本はたくさんありますが…
出口式で一番新しい小学生全学年対応のものはこちらのようです。
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出口式を使ってみての感想
子どもの心をつかむキャラクターや挿絵、書き込みやすい大きめの解答欄。文字が大きめで読みやすい。遊び感覚ででき、お勉強をした気分にならない。
問題数が少なく短期間で一冊を終えることができるで達成感がある。
各学年ごとに問題集が用意されている。
保護者にとって割高感がありますが、勉強や国語が苦手な小学生、幼児さん~小学校低学年の方におすすめです。
【ふくしま式】が流行中
けっと・しーさんの「ちりつもゴコロ」のこちらの記事を読み、「ふくしま式」が本屋さんに多数あるのに気付きました。
出口式より後から出てきたものだと思います。プロフィールを見ると、出口先生より福島先生の方が若い。
ある時、夫が「メルカリポイントが切れるけど、何も欲しい物が思いつかない」というので、ふとこの記事を思い出し、メルカリで「ふくしま式」を検索するもすべて売り切れ。今一番人気のものなんだと思います。
でも、よく見ると、昔からよく聞く「出口式」のワーク2冊セット新品同様のものが安い!!ということで、時間がないからこれでいいや!!と出口式を2冊も買ってしまいました。
そんな購入いきさつはどうでもいいのですが、息子は小学1年生。まだまだ幼児さんの気分が抜けきらないところがあるので、こちらのかわいらしい絵柄ものから始めて良かったと思います。
『ふくしま式「本当の国語力」が身に付く問題集[小学生版ベーシック]』は一冊で問題がたっぷり!
福島式は本屋さんで立ち読みさせていただきましたが、紙面に遊び心があまりなく、本当に問題集。小学校1年生~3年生が対象。★のマークで難易度を示していて、★ひとつは1年生、★みっつは3年生が目安のようです。
ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集[小学生版ベーシック]
- 作者: 福嶋隆史
- 出版社/メーカー: 大和出版
- 発売日: 2017/02/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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びっちり問題があるので、保護者としてはお得感がありますが、幼児さん向けではありません。完全にお勉強をした気分になる問題集です。まだまだ幼い私の息子には小学校1年生の夏休み以降、程よい時に渡して取り組んで欲しいと思っています。
ふくしま式も、このベーシックの次の本があり、
ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集[小学生版ベーシック]
- 作者: 福嶋隆史
- 出版社/メーカー: 大和出版
- 発売日: 2017/02/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ふくしま式200字メソッド「書く力」が身につく問題集[小学生版]
- 作者: 福嶋隆史
- 出版社/メーカー: 大和出版
- 発売日: 2015/02/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
他にも多数出版されています。
【出口式】【ふくしま式】どちらがいい?
かなり荒っぽい言い方ですが、基本的に【出口式】も【ふくしま式】も考え方は同じだと思います。国語は感覚で解くものではなく、書いてあることを論理的に解くんだよということは、どの先生も言うことだと思います。
ただ、本の構成の好みだと思います。どちらの方が今の自分の子どもに合っているか。一番大切に思っていること(コンパクトに1冊でたくさんの問題がいいなど)は何か。
時代の流れは【謎解き系】へ
入学前に本屋で見つけた2018年12月に発売された謎解き系の読解問題集があります。
↓この記事に書きましたが、子どもが見つけ、欲しがりました。
楽しみながら成功体験『読解力アップ直結問題集 仕事のなぞ』
算数パズル系で有名な花まる学習会の理事長が書いた問題集です。
計算は得意だけれど算数の文章題が苦手な子の読解力を高めるのが目的のようです。
高濱先生は、この本の説明動画で「夢中になる題材を使った」「苦手だと思っていた子たちに『成功体験』をさせたい」とおっしゃっていました。
↓ここに動画が載っています。
楽しいナゾトキから読解の世界へ
先ほどの問題集は、対象年齢が小4~。本屋で見つけた時は小学校入学前。息子には早すぎると購入しませんでしたが、ナゾトキだと楽しく、勉強ではなく良い意味での遊びになります。
「まなびwith」という通信教育をとっていますが、こちらもアニメ名探偵コナンと話題になっている東大ナゾトキ集団のナゾトキ問題を使って子どもを勉強へと導いています。
特にナゾトキ読解は小学校の読解がつまらない~という理系のお子さんにピッタリだと思います。
学研『科学事件ファイル [おはなし推理ドリルシリーズ]』も楽しそう!
他にもナゾトキ系の読解本はないかなと探してみたら、ありました。このシリーズはどれも対象年齢小4~のようです。
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6月13日に次の2冊が発売予定のようです。
『百人一首事件ファイル 小学4~6年』
「和歌の示す泣き声の正体とは??」百人一首の知識をもとに物語のナゾを解いて読解力を鍛えよう!大好評推理ドリル第三弾!
(シリーズ検索 | 学研出版サイトより引用)
『算数事件ファイル 小学4~6年』
「数の規則を見抜いて潜水艦から脱出せよ!」算数の知識をもとに物語のナゾを解いて読解力を鍛えよう!大好評推理ドリル第三弾!
(シリーズ検索 | 学研出版サイトより引用)
どれも自分から読みたくなる子どもの趣味の読み物的な雰囲気。お勉強色が出ていません。ただ、少し文字が小さく一話が長めの印象。
蔭山英男先生監修 『なぞとき文章読解 朝5分ドリル』
短めのお話でさっとやり切りたいなら、こちらの方がいい気がします。
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でも、こちらだと内容が「お勉強」っぽくて、楽しみで読むという感覚にならないと思います。ドリルだから、これに取り組んでいる時間は完全に「お勉強タイム」になってしまいます。
どう活用する?
出口式は楽しいですが、何冊もやっていく必要があります。
福島式の本は一冊で効率よく多くの論理的読解力を身につけることができると思います。(シリーズ本はたくさんありますが…)
ナゾトキ系は対象年齢は高いけれど、勉強した気分にならないくらい楽しそう。
我が家の場合は小さいうちは楽しさを優先させたいので、ひとまず
【出口式】で楽しんだ後は、【福島式】にチャレンジさせつつ【ナゾトキ系】で楽しむ。
ということにしました。
できるだけ購入冊数を抑えたいところですが、難しい!
子どもの様子を見ながら、あれこれ活用していきたいと思います。
また、良さそうな本があれば紹介します!