今週のお題「読書感想文」
小2の息子、今年の夏は『タヌキのきょうしつ』の読書感想文を書きました。
課題図書選び
本屋さんで相談~本人は学校であらかじめ読んでいた
本屋さんで課題図書を見つけて、どれか欲しいか聞くと、
学級文庫として学校の教室に置いてあり、すでに課題図書3冊すべて読んだからいらないとの返事。
でも、手元に本がない状態で読書感想文を書くのは至難のワザです。
「もし、学校の夏休みの課題として出たら、一冊だけ買ってあげる。どれがいい?」と聞いてみました。
『ながーい5ふん みじかい5ふん 』
れつにならんでいるときは5ふんなんてまてなーい!ジェットコースターにのっているときは5ふんってあっというま!おなじ5ふんでも、こんなにちがう。5ふんはながい?5ふんはみじかい?
(Amazonの商品リンクより引用)
にしやんのところの犬・ごんすけが死にそうです。にしやんは元気がありません。ごんすけは、人のねんれいにするともう百さいぐらいのおじいさん犬です。ごんすけがいなくなるなんて。死ぬのはこわいけれど、どうやって死ぬのか、みてみたい気もしていました――いがらしくんは、にしやんのいえにいくことにします――。
(山のちょうじょうの木のてっぺん|絵本ナビ : 最上一平,有田 奈央 みんなの声・通販より引用)
『タヌキのきょうしつ』
昔、広島の小学校で夜になるとタヌキが勉強をしているという新聞記事が載ったことがありました(本当のことです)。タヌキだって勉強したい!学ぶ楽しさはタヌキだって同じなのです。教頭先生の手助けもあってタヌキの小学校は大盛りあがり。けれど時は流れ、世の中は戦の色が強くなっていきます。学校ですら安全な場所ではなくなりました。タヌキの学校はどうなってしまったのでしょう…。たくましく生きる人々とタヌキたちの物語。
(Amazonの商品リンクより引用)
本のテーマを考え、本人の体験にからめやすいものをおススメし、本人の意思を尊重
本屋でパラパラと見た時点で、私は『ながーい5ふん みじかい5ふん 』をすすめました。
《『山のちょうじょうの木のてっぺん』は、「死」について書かれていて、ちょっとうちの子が読書感想文を書くには重すぎて、書きにくそうだなぁ。
『ながーい5ふん みじかい5ふん 』は、「時間」がテーマ。内容も何もかもわかりやすく簡単で、扱いやすい。一番楽に読書感想文を書けそう!時間の感覚がママやパパと違う経験、何度もしているし、それとからめてすぐに書けるはず!
『タヌキのきょうしつ』 は、最初と最後の方だけパラパラと見たので、上に引用したAmazonの商品説明には書いていますが、真ん中部分に戦争の話があるというのに気付かず、タヌキが学校を開いたというだけの話か…「学ぶ楽しさ」がテーマ?面白いし、これで書けなくもないけど、『ながーい5ふん みじかい5ふん 』の方が断然書きやすそう!》
こんな風に思ったからです。
息子は「『ながーい5ふん みじかい5ふん 』より『タヌキのきょうしつ』の方が面白いよ!『タヌキのきょうしつ』一度ちゃんと読んでみて!『山のちょうじょうの木のてっぺん』は絶対いらない。」
と言い、本屋でページをめくって説明しだしたので、なるほど…そこまで言うならタヌキでいいけど、どう話を膨らませるんだろう?
その時は、「まだ課題として出るかわからないし、読書感想文を書く時に買ってあげるね」で終わっていました。
本の注文時期はギリギリ…買っておけばよかった!
夏休みに入ってしばらくしてから、ふと思い出して、
「そういえば、読書感想文は今年自由課題だったからなしでいいね?」と念ため確認すると、
「出しても出さなくていいんだよ。だから、出してもいいんだよ。書く!」
「書くなら本を買うよ。買うから必ず書くのよ」と、慌てて注文しました。
本屋で相談した時に、さっさと買っておけば良かったです。
書く内容を検討
親が内容を把握・分析
購入して落ち着いて、全文を読んで見ると…意外といろんなことが書いている!
ただ、単に「タヌキが教室をひらいた」だけの話じゃなかったと気付きました。
噂が広まったせいで人が集まり、タヌキが小学校で「きょうしつ」を開くことができなくなった話も書かれていました。
タヌキたちは、夜、小学校の教室で「タヌキのきょうしつ」を開いていたけれど、教頭先生が見かけて、奥さんに話し、奥さんが子どもに話し、子どもが友だちに話し…と広がっていき、ついに新聞に載るようになったので見物客が増えて、タヌキたちは夜に小学校で「タヌキのきょうしつ」を開くのをやめ、洞穴(ほらあな)で教室を続けるようになります。
教頭先生はその洞穴にノートの差し入れをし、タヌキは「ありがとう」と書いた葉っぱを返すなどのタヌキと人間のコミュニケーションもありました。
戦争・原爆の話も書いていました。
タヌキたちは戦争がはじまってから避難したこと。
小学校の教頭先生や子どもたち、街もすべて、原爆でなくなったこと。
学校タヌキの洞穴があった木は焼け焦げたけれど、数年後に芽吹いたこと。
戦後、目覚ましい復興をとげ、タヌキたちが戻って来たこと。
書こうと思えばいくらでも突っ込んで深い作文が書けそうです。枚数が2枚までの制限があるので、その兼ね合いを考えると何にテーマを絞るか…
でも、子どもの作文なので、あえて口に出さずに子どもの話を聞くことにしました。
子ども自身が学校からもらった読書感想文の書き方シートに書き込む
小学校からもらった読書感想文の書き方シートには、
①本を選んだわけ
②あらすじ
③こころにのこったところ
④じぶんだったらどうするか
この項目ごとに記入欄があり、まず本人が記入することにしました。
そうすると、子どもの中で戦争部分の話が抜け落ちていることに気付きました。あらすじにも少しも触れていません。
逆に、Amazonの商品説明には書いていなかった、最後の方の復興後、広島にタヌキが戻ってきて、おでんやさんに「たぬきのにたまご」を買いに来て、タヌキが渡したお金が「サンキュウ」と書かれた、小学校のタヌキの洞穴の木の葉っぱになったエピソードがあらすじ部分に書いてありました。
戦争の前のタヌキの教室を開いたタヌキの子孫たちだとそれでわかり、おでんやさんは縁起がいいと葉っぱを飾り、誰にも言わずに、それから何度もおでんを買いに来る子ダヌキたちにおでんを渡してあげます。
この部分がとてもひっかかったようです。
噂がひろまってタヌキの教室を開くことができなくなったことに関しては、
「④じぶんだったらどうするか」の部分に、
《僕だったらタヌキたちの教室を目撃しても「蜃気楼(しんきろう)」みたいなものだと思って、誰かに言うことなんてなかったのに、タヌキの教室のウワサが広まってタヌキたちが洞内で学ぶことになって残念》といった内容がかかれていました。
「蜃気楼」…斬新な発想…
「③こころにのこったところ」は、タヌキが教室をひらいたところ。
「①本を選んだわけ」は、タヌキが教室をひらくなんて変だと思ったから。
本の内容を確認しながら聴き取り調査
子どもが学校からもらったシートの内容だけでは、作文として書きにくいので、
本の内容を順に確認していき、その時どう思ったのか、順番に聴き取りしていきました。
そうすると、子ダヌキたちがもっと教室を開いて欲しいとせがむところで、今はそれほど思わないけれど、1年生の頃はそんな気持ちだったということが引き出せませした。
入学したての1年生の頃は【学校で勉強できる嬉しさと楽しさ】でいっぱいだったけれど、今は慣れてしまって、普通になってしまったと。
そして、戦争や原爆の部分はむごい描写がなく、ただ学校も子どもも先生もなくなってしまったことしか書いていなかったからか、この部分の話をしている時、
「原爆が投下されたから戦争が早く終わったと聞いたことがある」
という話をされ、私はちょっと引いてしまいました。どこで聞いてきたのか…
戦争・特に原爆の悲惨さがまだわかっていないようです。
戦争・原爆のせいでタヌキも人も学校もなにもかも、なくなってしまったのに。
さらに、戦後、復興を遂げたあと、【なぜ「おでんやさん」が唐突に出てくるのか不思議だ】という話も出てきました。
確かに、なぜ「おでんやさん」?と、私もひっかかりました。
そして、この「おでんやさん」はタヌキの教室の話を伝え聞いていて、人間の子どもに化けて買いにきているタヌキたちは、「タヌキのきょうしつ」の子孫たちで、まだタヌキの教室は続いているんだと気付きますが、誰にも言わず内緒にします。
なぜ、筆者はこの部分を書いたのか、話し合ってみました。
今子どもたちが夢中になっているナゾトキのようで面白いですよね。
作文で使う部分を話しながらピックアップして組み立てるお手伝い・下書き
戦争部分は完全に使えないので、使う部分は①子ダヌキたちが熱心に勉強をしている部分、②噂が広まって洞穴でしか勉強できなくなった部分、③おでんやさんの謎の部分を書く話になりました。
まだ2年生なので、お話の流れに沿って書けばいいと思って、そのまま書き始めさせたら、やっぱり内容が多すぎて2枚で収まらない…。原稿用紙の最後が見えてきたので最後の部分をずいぶん省略して圧縮してしまいました。結構、唐突に答えを出しています。
下書き後、反省
書く内容ごとに字数を確認しておけばよかった
下書きの前にそれぞれ、書きたい部分(①子ダヌキたちが熱心に勉強をしている部分、②噂が広まって洞穴でしか勉強できなくなった部分、③おでんやさんの謎の部分)ごとに、どれくらいの字数になるかある程度書いてから、組み立てさせたら良かったです。
③を生かすなら、②の部分は完全に不要ですが、小学生らしくていいかなぁ~とそのまま清書となりました。
「書く」という行為があまり好きではないらしく、何度も書き直すことが難しそうですし。漢字の書き取りもそうですが、昔(親世代)より、今の子どもたちは「書く」という行為を嫌がるようになっている気がします。ノート作りとか、お手紙なんかで「書く」のは楽しそうですが。
清書が難関
なぜ、清書の方が時間がかかるの?
この清書が大変で…ただ書き写すだけなのに、それが退屈らしくどうもすすみません。内容を考え、下書きするより時間かかりました。途中で遊びだすし、「このお話、ほんとにあったと思う?」など、おしゃべりがはじまります。書いてもやる気がないのが伝わる字。
せっかくここまで頑張ったんだから、私だったら意地でも最後までやり切りますが、「読書感想文って自由課題だったよね~」なんて言い出すんです。「自由課題かどうかなんて関係ない。ママと本を買う時に、必ず書くと約束したでしょ」と、頑張りました。始業式前日のことです。たった2枚なのにつきっきりで何時間もかかるんです。やる気があるなしでこんなに作業をこなす能力が落ちるなんて!
お互い「作品が残れば間に合わなくてもいいか~」という気分になりかけつつ、何とか仕上げました。
他の夏休みの自由課題も仕上げ、クタクタでやり切った感で新学期を迎えましたが、再び難題が…。
再び、清書の課題が
今年は夏休みが短かったから、読書感想文を書いてくる人が少なかったんでしょう。
「低学年の部の代表として選考に持って行くから、月曜日までに選考上の規定通りの形式に書き直してきてください。」
土曜日は、ピアノのオンラインレッスンなど忙しかったし、日曜になったらやる気が出るかなぁと思っていましたが、日曜もやる気がでず、難航中です~!
プチ反抗期でしょうか。
今、子どものお相手を夫にバトンタッチして、この記事を書いています。
文字も汚いし、すぐに音楽をかけたり、おもちゃで遊びだすので、
「もう、やらなくていい!学校に持って行かなくてもいい!」と、パパに叱られています。
しかし、連絡帳にもしっかり「月曜までによろしくお願いします」と書かれているし…。
去年も夏休みに自由課題として出された読書感想文を書いて出しましたが、「○○がすごかった~びっくりした~」の羅列で、内容について一緒に考えなかったし、こんなに清書に苦労しなかったですが、今回は強烈で、記録に残したくなりました。
すいません、また長文で。
あ、今書き終えました!
最後の、「よくできたね~」の褒め褒めタイムを夫に持っていかれそうなので、このへんで。
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