小学生のお子さんをお持ちの方、お子さんの色覚検査って希望しましたか?
検査を希望するかしないか確認の用紙が来た
簡単な用紙でサラッと
子どもが小2になってから、「身長体重の成長曲線」・「肥満度曲線」の表を希望するかどうか、「視力」・「色覚検査」を希望するかしないかについて、まとめて書かれた連絡文書がサラッときました。
次のPDFに立派な学校から出す保護者向けの文書の例が載っていますが、ここまで重々しいものではなく、色覚検査についての具体的なことは書かれていませんでした。
⇒ 日本眼科医会「学校における色覚についての対応」指針 平成 28 年 4 月 1 日
「色覚検査」に対する認識・不安
「色覚検査」と聞いてパッと頭に浮かんだのは、次の5点。
①男性の方が遺伝的に「色覚異常」がある確率が高い。(うちの子は男の子です)
②色覚異常があると就けない職業がある。(うちの子は将棋士の他に「電車の運転士」にもなりたいそうです)
③特に日常、様子を見ていて色に関して支障があるように見えないから問題ないはず。
④色覚異常者だと判定されると何か不利益なことがあるから、希望者だけになったのかな?遺伝するとか、周りの子どもたちからの差別されたり、からかわれたりする心配があるだけ?他にも何か不安材料があるのだろうか?
⑤この機会に学校で「色覚検査」をしなかったとしたら、次、他で検査してもらう場はあるのだろうか?眼科で検査?費用はいくらくらい?
希望した理由を子どもに聞かれる
悩み始めるときりがないので、
万が一、色覚異常があれば、将来「電車の運転士」等になろうと努力していざなろうとした時に「色覚異常」で弾かれるのは気の毒。「色覚異常」がないと分かれば安心して目指せる。
という理由から不安を抱えつつ、一応、上の5点のことをさらっと伝え色覚検査を希望していいか本人確認してから、思い切って色覚検査を受けさせることにしました。
結果は、「所見なし」。問題ありませんでした。
他に受けた人がいたか子どもに聞いてみると、「一番に受けたからわからない」とのこと。いなかったのかもしれません。
子どもも自分だけだったのかもしれないと感じたのか、「なんで色覚検査の希望出したの?」と聞かれ、
上の理由をもう一度説明すると納得してもらえましたが、もし、不快な思いをしていたら申し訳なかったかなとも思いました。
例えば子どもが女の子だったり、電車の運転士系の夢を一切持っていなかったら、不要だろうと希望しなかったかもしれません。
でも、迷うところなので、改めて色覚検査のことを調べてみました。
色覚異常と検査について
色覚異常は治療できない
色覚異常って遺伝によるものという認識はありましたが、今はもう時代は進み、治療法はできているのかなと調べてみましたが、それらしき情報は見つかりませんでした。
──色覚異常の原因と治療法は?
遺伝によるもので、日本人男性の20人に1人、女性の500人に1人の割合で、およそ300万人以上に色覚異常があります。遺伝子のどこかに問題があるということなのですが、今のところ、有効な治療法はありません。
(なぜ?色覚検査の廃止より引用)
色覚検査が廃止となった理由
廃止となった理由に「差別につながる」だけでなく「生活の中で困っていない」という考えがあるそうです。
──今度の色覚検査の廃止の理由は?
「色覚検査をすることは差別につながる」というものです。その背景には、「色覚異常者は生活の中で困ってはいない」という考え方があります。
(中略)
今ではごく一部ですが、色覚異常では就けない仕事があるということや、就くとハンディが大きい仕事、また、自分がわかっていれば大丈夫だという仕事があることをきちんとお話します。色覚異常者に対しての「根拠のない差別」と、仕事に就くのが難しいことをきちんと告げる「適正な制限」をうまく分けるのは難しいことです。しかし、事実を知るのは重要なことですから、色覚検査を行い、色覚異常者が自己認識できるようにし、そうした人たちが住みやすいような世の中を作ることが、より重要だと考えています。
(なぜ?色覚検査の廃止より引用)
日常で困る程度の色覚異常だったら、検査をする前に気付きますよね。
やはり、日常に困らない程度の色覚異常で、色覚異常だと就けない仕事を希望している人には必要な検査かもしれません。
今は実施しない学校のほうが少数派?
色覚検査・色覚異常の存在を保護者に忘れられても困る
廃止となった後、また色覚検査の実施を促す通知文書が出されたようです。
※次の引用出てくる「石原表」とは 「石原式色覚検査表」と言われる数種類の色のモザイクに隠された数字や形を読み取らせる色覚検査のための表のことです。
かつては毎年、1994年以降は小学4年生を対象に行われていた石原表による検査は、2002年の学校保健安全法施行規則一部改正で、健康診断の必須項目から削除された。ところがここ数年、にわかに再開機運が高まり、今や実施しない学校のほうが少数派になっている。
「キッカケは文部科学省が各都道府県教委の教育長に宛てた通知です。今の色覚検査は学校医による健康診断とは別に、教員の仕事にされがち。特段の研修もないので、後のフォローをと言われても……」(都内の養護教員)
「通知」は14年4月30日に、文科省スポーツ・青少年局長名で出された。従来も不安のある生徒には保護者の同意を得た上で個別に検査・指導できる体制整備を促してはいたのだが、そこに、こんな文言が追加されたのだ。
〈特に、児童生徒等が自身の色覚の特性を知らないまま不利益を受けることのないよう、保健調査に色覚に関する項目を新たに追加するなど、より積極的に保護者等への周知を図る必要があること〉
色覚検査の再必須化、ではない。にもかかわらず実施を奨励する奇怪な文書。そして翌々6月、スポーツ・青少年局の学校健康教育課が、都道府県教委の学校保健主管課への「事務連絡」に、保護者の希望を募る申込書のヒナ型が掲載されたURLを明記した──。
かくて導かれたのが現状だ。文科省に尋ねると、この間に部局名が変わった初等中等教育局健康教育・食育課の西尾佐枝子係長が、「実施しなさいとは言っていません。やるかやらないかは、各教育委員会と学校の判断です」。
(必要か差別か? 学校での「色覚検査」復活の謎に迫る (1/4) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)より引用)
「積極的に保護者等への周知を図る必要がある」というのは、保護者が「色覚異常」というものが存在することを知らない、もしくは忘れてしまった場合、
①色鉛筆やクレヨンで正しい色が選べないのに、それに親や先生が気付かず、ふざけていると叱る。友だちにからかわれる。
②色覚異常なのに気付かず、色覚異常だと就けない仕事を希望してその仕事の入り口まで来てあきらめなければならず、悔しい気持ちになる。
こういう不利益が生じる可能性があるからなんでしょうね。
さらに、この文書を見ていると、学校によって「色覚検査」の取り扱いが少し違うのかもしれないと思いました。
実施して差別がおきるのは困るけど、実施せずに子どもの不利益になるのも困るという状況で、学校も判断が難しいでしょうね。
差別が心配ならなぜ学校で検査するの?
廃止した主な理由が差別なら、インフルエンザの予防接種のように個別に眼科医で確認してもらう方法に切り替え、その費用を負担する形にすればいいと思うのですが…。
(色覚検査ではありません、眼科医のイメージイラストです)
学校で簡単に検査すれば費用はかからないのに、眼科医ですると費用が発生して税金で負担するのはもったいないということなんでしょうか。
昔は何でも強制という感じでしたが、最近はそれぞれ学校や保護者が判断する部分が増えてきているような気がします。
自由はありがたいですが、その分、判断に迷い悩むことも増えますね。贅沢な悩みですが。
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