今回は、以前、書いたピアノコンクールのことを。
子どもがコンクールに初めて参加して感じたことを書きます。
自分の主観でいい
例え「出来レース」でもいいと思って参加しよう
子どもが初めてピアノコンクールに参加して、順位や講評は参考程度にして、自己評価をしっかりすることが大事だということがよくわかりました。
これは模試や学校の成績、スポーツの世界にも通じることかもしれません。
コンクールに参加する前、次の記事に
次のようなコメントを頂いていました。
大吉さん(id:best-luck)
『やる気を引き出す魔法のピアノレッスン~子どもに伝わる指導法とは?』の考え方に共感 - 知らなかった!日記
娘が高2までガッツリとピアノを習っていました。 コンクールにもいくつか出ましたが、出来レースすぎて、親子で絶句したのを思い出しました^^;
2020/03/16 12:17
大吉さん、ありがとうございます。
なるほど、やっぱりそういうこともあるんだろうな…と心がまえをして参加できました。
失礼な話ですが、「出来レース」でもいい自分の主観で評価しよう(発表会と同じですね)と思って申し込み参加したので、初めてのコンクールのわりに気楽に参加できた気がします。
実際に参加してみて、「出来レース」だったかどうかは不明ですが、評価が公正だと感じられない人は多いだろうなと思いました。
審査員の好みがある
子どもらしい元気な一曲に高評価
課題曲がいくつかあったんですが、ある曲を弾いた子は一律一番いい評価をもらっていました。
正直驚きました。その曲を弾いた子は、全員いい評価がでるなんて。
小さい子に似合うすごく元気のいい曲です。
逆に大人しい曲を選曲した子の評価は基本的に低かったです。
曲の難易度もあると思いますが、大人しい曲を完璧に仕上げてきていた子(息子が弾いた曲とは別の曲で、完璧に美しく弾ききった子がいました)よりも、
ある曲を弾いた、音は割れているし、スラーも完全に出来ていない、テンポもおかしかった子たちの方が高い評価。
子どもらしいと言えば子どもらしい感じですが、音が割れてほんと聞き苦しい感じだった子もいたんです。
演奏を聞いて評価が出るまでは、
《先生が「グランドピアノだと音が割れる」とおっしゃっていたのはこれなんだな、あの曲を選ばなくて良かった》と思っていました。
その曲は息子も気に入っていて、実際にコンクールで弾いた曲と迷って、しばらく2曲平行して練習していましたが、どうもフォルテッシモ…強い音を出す時に、「それだとグランドピアノだと音が割れる」と散々注意され、仕上げる自信がなかったので結局、もう一方の方を選んだんです。
この曲を「コンクール」レベルまで仕上げるには厳しい…と思っていたんですが、コンクールの会場で聞いた演奏より断然、この曲の練習中の息子の演奏の方が良かったですし、
このコンクールはこれ(音が割れて聞き苦しい感じ)で良かったんです。
でも、そんなこと私たち親子には、先生だってわからないですよね。
結果を見ると、よい評価を得ることを一番に考えるなら、あの元気のいい曲を選んでおけば良かったということになりますが、それでも、あの曲を選んで弾かなくて良かったと思いました。
せっかく初めてのコンクールで、ステージ上で弾くんです。
年に何度もステージに立つ他の子たちと違って、うちの子は年に1回か2回くらいの機会。
音が割れて聞き苦しかったとか、いろんな演奏上の後悔をしたくないですよね。
今回は、特に大きなミスもなく、完全に先生の指導通りに弾ききれて、初めて満足のいく演奏をステージで出来たんです。
親子で思いっきり喜べて、これで良かったと思えました。
賞の高さより、自己満足度の高さの方が大事です!
私たちの場合は、プロを目指すピアノではなく、趣味のピアノですから。
オーバーアクションを好む
また、曲の種類だけでなく、オーバーなアクションをする子の方が高く評価をしている様子でした。
なんとなく数名の様子と審査員の表情を見ていて感じていたのですが、確信が持てた瞬間がありました。
ある子が途中から感情たっぷりにあごをあげ、天井を仰ぎ見ながら、曲がブツブツと切れている状態で弾いていて、聞き苦しいなと思っていましたが、主となる審査員の方はウンウンとうなづいて、好感を持っている様子。実際に高い評価となっていました。
逆に、息子が教えてもらっている先生はそういうのが好きではないようで、自然に曲にのって揺れるはいいけれど、そこまで揺れるのはやらされているようで不自然だと、何度も注意されました。
息子は最初少しも揺れないタイプだったんですが、曲にのって体をゆらしながら弾くように指導され、ゆれないと弾けないようになったんです。
でも、今度は揺らしすぎだ、やりすぎだと何度も指摘され、少し体が曲と一緒に動いているかなぁ~くらいの程度にまでなりましたが、これでちょっとイキイキとした雰囲気がなくなりました。
どれくらい身体が曲にのっていてもいいのかなと、あちこちのコンクール動画を見ていると、結構オーバーなくらい曲にのっている子の方が高く評価されているような気がしました。
子どものコンクールのオーバーアクションについては、良いか悪いか、一時期、話題になったようですが、みなさん、どう思われますか。
私は、高評価につながるからと、わざと周りの大人がさせるのはイヤな感じですが、本人が自然としてしまうなら、多少オーバーでも可愛らしくていい気がします。
でも、するからには完璧な演奏をして欲しいという感覚です。
自己評価と得られたもの
審査員の先生のコメントから
講評をいただけるコンクールだったので、それをもとに考察してみました。
審査員の直筆で走り書きの講評をまとめると…
<プラス評価>
●よく聴いて弾けていた。
●優しく丁寧に弾けていた。
●長い音をよく響かせていた。
「もっとよく聴いて」「突出した部分を作らない。クレッシェンドの部分、そんなに大きな音を出さなくていい」「音を飛ばすように」など、いずれも練習中に何度も指導があった部分を褒めて下さっていました。
息子が思うように弾けて、ちゃんと評価してもらえて良かったです。
<マイナス評価>
●勢いがもう少しあった方が良かった。
●左右の力加減、バランス。難しいけれど…
●椅子と足台の高さが高すぎるかも
勉強になりました!
左右の力加減・バランスは、部分ごとに先生の指導通りに調整し、練習中、特に問題視されていなかったんですが…審査員の先生の求めるものとは違ったようです。仕方ありません。
「勢いがない」というは、わかります。
ピアノばかりでフォルテがない、弱い優しい音で弾く優しい曲だったということもあって、子どもらしい元気の良さがあまり感じられなかったと思います。
でも、上手な人は弱い音が続く優しい曲でも息をのむ様な気迫がありますよね。
気持ちが入っていなかった…練習中の注意点を思い出し、考えながら弾いていて、伸び伸び弾けていなかったんだと思います。
練習を始めたばかりの頃は、自分が選んだお気に入りの曲の2曲のうちのひとつということもあって、自分が弾きたいように弾いていて勢いがあったのですが、
楽譜通り弾く原則は守りつつ、曲のイメージから、膨らませる部分や、同じフレーズが続く場合は2つ目の色を変える(弾き方を変えるということらしいです)など、細かな指導があり、先生の指導を受けるうちにだんだん当初のピチピチ?した感じがなくなっていました。
特にオーバーアクションをしない指導が入りだしてからは、伸び伸びと弾けていなかった気がします。
もしかして、本番は弾けて好きなように弾くかなと思っていたのですが、指導通り弾いてくれて、これまでの練習を大事に思ってくれていたのがわかって嬉しかったです。
今度は言われた通りではなく、もっと先生とコミュニケーションをとり、自分で考え、自分で表現して伸び伸び弾けるくらいになってくれたなと思います。
椅子と踏み台の高さは、私の責任です。
椅子と踏み台の調整は、保護者がステージ上まで付き添ってするように書かれているコンクールだったんです。
私は大雑把にだいたいこれくらいでいいかなと、前に演奏した子の高さのままでした。ベストの状態の微調整をステージ上でさっとする自信がなかったので「だいたい、これでいいよね?」と《高さをかえて》と言わせない無言の圧力をかけてしまった気がします。親の方が緊張してしまって、ステージ上でもたつきたくないという気持ちが勝ってしまっていました。
でも、まさかそんなことまで評価にかかわってきて、講評に書かれるとは思ってもいませんでした。
指導して下さった先生のコメント
先生にコンクールの動画といただいた審査員の講評をすべて送りました。
審査員の講評に関するコメントは「椅子と足台の高さ」のことのみでした。
「椅子や踏み台の高さは高すぎず、低すぎずがいいですね。事前に椅子の高さはみんな自分に合う高さは何段目と覚えていくんですよ。言っておけば良かったですね。」
コンクール会場にある背もたれのある椅子は段階的に高さを変えられるようになっているんです。
自宅のピアノ椅子は次のようなもの。グルグル回すタイプです。
レンタルスタジオには背もたれの椅子があったんで、そこで椅子の高さは何段目がいいか確認しておけば良かったなと思いました。
でも、大きくなると自分で椅子の高さをかえて踏み台なしになるし、ちょっとの間の注意点ですね。次、コンクールに出る時はもう、保護者不要かもしれません。というか、そうなってほしいです…。
コンクールで弾いた動画に関しては、落ち着いていつも通り弾けて良かったね!というものでした。
本当に、私も親の評価としては100点満点でした。
一番いい賞ではなくて、先生もちょっぴり悔しそうだったので、
先ほど書いた、ある曲を弾いた子たちが音割れ、スラーなしなどいろいろ問題点を抱えながらも一律よい評価だった話をすると、コンクールによって様々だけれど、きっと難易度が高い曲を選曲した子の方が評価が高かったんだろう、
これからは難易度の高い曲を積極的に選んでいこうということでした。
先生との関係がしっかりとしたものに
その後、すぐに来年のコンクールを探す指示と、先生が指定した新しい教本を買う指示がでました。
コンクール前は、前の先生の時に購入した教本の続きをしていました。
辞める前に購入したばかりだったので、新しい教本を買うのはもったいないからとおっしゃっていたし、まだその続きがあるんですが…
年齢的にもそんなにのんびりしている場合ではないそうです。
今回のコンクールをきっかけに、本気で育てる姿勢に変わったのがわかりました。
コンクール前は「弾きたい曲があったら、それを見てあげるよ~」という感じで、大人が趣味で習うというか、単発のお客様に近い感じでした。
たぶん、まだしっかり継続して習うかどうか、先生も不明だと思っていらっしゃったんだと思います。オンラインレッスンは予約を入れなければ、あっさり縁が切れてしまう関係ですから。
あと、具体的な目標を持つ指示もでました。
「例えば、音大に行くくらい上手になりたいとか、日本で一番になりたいとか、県内で一番とか」と言われ、親子でう~んと唸り、考え考え、とりあえず私が「小学校の同じ学年で一番は?」と聞くと、「う~ん」と息子はそれも難しいという顔。
先生の考えるレベルとかけ離れた親子で申し訳ない気分になりましたが、
先生が本気で《自分の生徒》と思ってやる気になってくれているのがわかって嬉しかったです。
コンクールからずいぶん時間がたってしまったので、忘れる前にと慌てて書きました。読みにくい長文に長々とお付き合い下さりありがとうございました。
私の体験がどなたの参考になるかどうかわかりませんが、またそのうちピアノコンクール当日のみなさんの服装や舞台そでのことも書きたいと思っています。
※追記です。この記事を書いた時期、初めてピアノコンクールに出たのは小2の頃。
その後、コロナが気になりしばらく出場を控え、小4で2種類のコンクールに(一年に一度の発表会代わり…小3の分も含めて2回ステージに立てるようにと申し込みました。小5以降は中学受験に集中するため、小学校生活のピアノの最後の思い出にと)出場し、どちらも全国大会まですすみ(予選・本選・ファイナルと3回、予選・ファイナルと2回と一年に5回もステージにたてました!)、盾ももらえました。
コンクールのホームページに子どもの名前が出ているので、子どもが参加したコンクール名は書けませんが…コンクールとの相性があるので、いろんなコンクールにチャレンジしてみるのもいいかもしれません。うちの子は2種類のコンクールを予選・本選・ファイナルすべて違う会場を選び、いろんなホール・ピアノを楽しみました。(ピアノの先生は慣れた会場の方がどのような状態かわかって対策が立てやすくていいとおっしゃってくださいますが、入賞を狙ってというより楽しみのためなので。毎回、どんなホールでピアノなのかわくわくします)
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