- ファスナーの構造だけではなかった
- ハイテク・おもしろファスナーの紹介
- ファスナーの歴史
- 【開発の流れ】を学ぶ
- 【海外進出】を学ぶ
- 【企業理念】から《生き方》を学ぶ
- ビジネス系から生き方を学びたいなら
- 『ファスナーのひみつ』が無料で読めるサイト
- YKKのホームページにはキッズコンテンツもある
今回は、 学研まんがでよくわかるシリーズ92『ファスナーのひみつ』について。
まんがでよくわかるシリーズはこちらで紹介しています。
ファスナーの構造だけではなかった
男の子は機械やいろんなものの仕組みを知りたがりますよね。
小さな時、透明なエレベーターに張り付いていつまでも見ていたがり、困ったこともあります。
本屋に行くと↓仕組み系の見本図鑑につかまり、なかなか帰れなかったり。
これまでの経験から、 子どもがすすめる『ファスナーのひみつ』も【ファスナーの構造】が書いてあるだけの本だと思っていたら、違いました。
もちろん、構造も書いていましたが、今回はそれは省き、気になったところだけ紹介していきます。
ハイテク・おもしろファスナーの紹介
知らなかったファスナーがいくつか出てきて面白かったです。
【ハイテク系】
①水密・気密ファスナー
宇宙服
液体輸送タンクなど
②難燃ファスナー
ロケット
消防服
③止水ファスナー
スキー服
エマージェンシーユニット(テント同士つなげたり、入り口や窓を閉める部分にファスナーを使う)
※災害時や感染症の流行時に必要となる高気密な仮設空間を、すばやく確保することができる骨組み不要のエアテントのこと(⇒エマージェンシーユニット[クイックエアドームコンポ]-YKK AP)
④樹脂射出ファスナー(軽くさびない)
漁網
オイルフェンス
【おもしろ系】
①簡易分離ファスナー
左右に引っ張るだけで瞬時に開けることができるファスナー。
②伸び縮みするファスナー
テープにストレッチ素材を使用し、エレメントにも特殊な工夫を加えた、縦方向への伸び縮みできるファスナー。
③横から差し込み閉めることが出来るファスナー
手袋をしたままでも、小さな子どもでも簡単に操作できる。
他にもたくさんありましたが、印象に残ったものだけ取り上げました。
ファスナーの歴史
YKKのファスナーの歴史も書かれていました。
簡単にまとめると次のような内容です。
手作業から始まったファスナー作りは戦時中一度止まったけれど、戦後復興する中でアメリカの機械で作られた品質・価格とも優れた商品に触れ、機械を導入。
アメリカから輸入した機械をもとに改良を重ね、品質・生産量も一気にアップ。機械を自分の会社で作るようになって、ファスナーもどんどん進化していった。
【開発の流れ】を学ぶ
開発の流れが書かれていました。
アイデアを出して試作品を作ることまでは想像できると思いますが、「展示会」のことなどは、普通の子どもは知らないですよね。
「一貫生産のメリット」の説明
下請けに任せたり、一部分だけを担うスタイルの企業も多いですが、YKKは「一貫生産」を貫いておられるようです。
同じ品質を保てるということを強調されていましたが、新商品を開発しやすい状況でもありますね。
【海外進出】を学ぶ
1959年にニュージーランドに進出して以来、71か国・地域で生産・販売をしているそうです。
「土地っ子になれ」という考え方
漫画の両端にある「まめちしき」欄にもいろんな情報が入っています。そこに書いていた「土地っ子になれ」という言葉は、その国・地域に根付き、その国・地域にの要望に合わせた商品をつくり、お客様に届けるという考えを表しているそうです。
メインの漫画の方にも、その国の人と食事を共にし、その国の人の生活習慣を取り入れ、その国の人になりきって頑張ると、言葉が完璧でなくても通じるようになると書かれていました。
確かに、その土地の人になりきってみることで、その土地の人の信頼を得ることができ、気持ちや考え方を知ることができますね。
【企業理念】から《生き方》を学ぶ
本のあちこちに、企業理念がたくさん書かれていました。
「善の巡環」という考え方
YKKの企業理念「善の巡環」(「巡」は「循」の間違いだと思っていませんか?「循環」ではなく「巡環」でいいんです)は、
「他人の利益を図らずして自らの繁栄はない」という考え方を表した言葉で、
「周りの人々の役に立つことを一番に考えれば、自分たちも成長できる」ということだそうです。
これは人間としてもそうですよね。
創始者の吉田忠雄さんがアメリカの鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの考え方に惹かれてできた理念で、吉田忠雄さんは伝記をたくさん読まれていたようです。
よい伝記を小さいうちにたくさん読ませたいものですね。
【人・もの・関係】の理念
他にも3つの理念が書かれていました。
①(挑戦を通じた)人づくり
「失敗しても成功せよ・信じて任せる」
②(価値ある品質を実現する)ものづくり
「品質にこだわり続ける」
③(社会との)関係づくり
「一点の曇りなき信用」
どれをとっても、子どもに教えたい生き方ではないでしょうか。
目標は高く
もう一つ気になった考え方があります。「失敗しても成功せよ」(目標を高く持って挑戦し、失敗しても最後までやりとげ、次の成功につなげる)」に関連しますが、「目標を低くして成功するよりも、たとえ失敗しても、高い目標に挑戦することのほうが大切だ」というもの。
つい、【小さな目標をたて、成功体験を繰り返し、肯定感を高める】という時代の流れにのってしまっていましたが、自分も子どもも、もう少し大きな目標を持ってもよいのではないかなと思えました。
ビジネス系から生き方を学びたいなら
もともと生き方のヒントとなるビジネス系の本や話が好きで、時々そういった関係のブログやテレビを見ています。
『ファスナーのひみつ』はその仲間という感覚で読めました。
ビジネス系ブログ
ケイタ (id:bkeita) さんは書籍を紹介するブログを書かれていて、数多くのビジネス書を取り上げておられます。
くま坊 (id:kumabou2016)さんは経営コンサルタントとして経営や人材育成のことを書かれいます。
お二人の書き方や方向性はまったく違いますが、どちらも読みやすいのでおすすめです。
「先人たちの底力『智恵泉』(ちえいず)」もおすすめ
『ファスナーのひみつ』を読んで、時々、自分が趣味で見ているテレビ「智恵泉」も思い出しました。
歴史上の人物を取り上げ、その人の生き方・考え方を知るという番組です。
歴史は、平安時代は好きですが、基本的に苦手なタイプです。そんな人でも楽しめます。
少し前に見たものはこちら。
選「ものづくりの先覚者 田中久重 役に立つアイデアを生む極意とは?」
からくり人形師として大成功を収めた田中久重は、人々の悩みをものづくりで解決するという志を立て、明るさはろうそくの10倍で長時間点灯できる「無尽灯」や、西洋時計と和時計の他、二十四節気まで表示できる、画期的な「万年時計」を作る。さらに50歳を過ぎて、蘭学者の元で翻訳書から西洋の科学を学び、国産初の実用蒸気船を作るまでになった。職人からエンジニアになった先駆けといわれる田中のモノ作りの神髄に迫る。
(選「ものづくりの先覚者 田中久重 役に立つアイデアを生む極意とは?」 - 先人たちの底力 知恵泉(ちえいず) - NHKより引用)
千利休などの超有名な人からそうでもない人も入り混じっていて面白いですよ。
『ファスナーのひみつ』が無料で読めるサイト
電子書籍版ならすぐに無料で読めるので『ファスナーのひみつ』に興味を持たれた方は、是非読んでみて下さい。
学研のサイトから読むならこちら。
電子書籍から読むならこちら。
紙で読みたい方は図書館でかりてください!
YKKのホームページにはキッズコンテンツもある
YKKについて知りたくなった方はYKKのホームページの次のページをどうぞ。
「ショートストーリー」のところには『ファスナーのひみつ』以外のYKKの電子書籍マンガが載っています。
小さな子ども向きのページもあります。
「キッズコンテンツYKKへ行こう!」は、富山県にあるファスナーの作られ方やYKKの歴史を学ぶ「YKKセンターパーク」を中心に構成されています。
「YKKセンターパーク」は、大人と一緒にファスナーを作る体験もできるそうです!
気軽に行ける距離だったら、すぐに行くのになと少し残念です。
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