- 国語教科書「外国の小学校について聞こう」から
- 偕成社「世界のともだち」シリーズは36冊!
- ブラジル~リオで生まれたミゲルの暮らし
- 韓国~ソウルの下町っ子ピョンジュンの暮らし
- 世界の子どもたちの暮らしから
国語教科書「外国の小学校について聞こう」から
子どもが国語の教科書から外国の小学校に興味を持った話の続きです。
図書館から学研の「ヨーロッパの小学生」シリーズ2冊と、偕成社の「世界のともだち」シリーズ2冊をかりてきました。
学研の「ヨーロッパの小学生」シリーズのことはこちらに書いています。
今回は、偕成社の「世界のともだち」シリーズです。
偕成社「世界のともだち」シリーズは36冊!
偕成社「世界のともだち」シリーズは世界36か国の子どもの暮らしを見ることができる写真絵本で、写真家による写真が掲載されています。
表紙の裏に日本を中心とした世界地図があり、その国がどこにあるのかわかるようになっています。国の基本データ(政治・産業・歴史など)は最後の見開き1ページに凝縮されていて、写真が大きく掲載されているのが特徴です。
12冊ずつ第3期まであります。バラバラでも購入できます。
借りてきたのは「ブラジル」と「韓国」ですが、アマゾンで世界のともだちシリーズ「韓国」がみつからなかったので、かわりに「フィンランド」を掲載してみました~。
ブラジル~リオで生まれたミゲルの暮らし
「ブラジル」は、リオに住むミゲルと言う名前の11歳の男の子の暮らしについて書かれています。
※表紙の「カリオカ」とはリオで生まれた人のこと。
お母さんは国家公務員、お父さんは国立大学で教えている音楽家。将来はお父さんのような音楽家になりたい夢が芽生えてきているそうです。
学校
ミゲルが通う学校は、保育園から高校まであり、スクールワゴンが毎朝6時20分(早いですね!!)に家の前まで迎えにきて、学校にむかいます。
家の前にまで来てくれるなら、登下校中、交通事故や犯罪に巻き込まれる心配がなくていいですね。
学校は月曜から金曜の朝7時から12時25分まで。途中で30分の長い休み時間がある他は、45分か50分授業が6時限目まであります。宿題も毎日のようにでます。
給食はなく、お昼ごはんは家に帰ってから。
お母さんが仕事で忙しくて作っておくことが出来ない時は、お姉さん(中学生)と一緒に近所のビュッフェ形式のレストランへ行きます。
2月下旬に新学期がはじまり、7月に3週間くらいの冬休みがあり、11月下旬のテストが終われば新学期まで3ヵ月くらいずっと夏休み!
ミゲルはお父さんにあちこちのビーチへ連れて行ってもらいます。リオのビーチは一年中観光客が訪れますが、リオに住む人たちが海に入るのは夏だそうです。
朝、学校がはじまる時間は早いですが、日本より子どもたちに自由時間が多いように感じますね。
ミゲルの学校はよい教育をするために(←そう書かれていました!)1クラス25名1学年2クラスと決められていて、創造活動(音楽・図画工作・身体表現・演劇の中から選択する)の授業と総合学習(ひとりずつマッチをすって火が消えるまでに話をするなど)の時間もあります。
やっぱり1クラス25名が限界ですよね。個人的にはひとりで子どもたちをみるなら20名が限界だと思います。
数多くの写真が載っていて、おやつをくわえているところを友だちが携帯電話(スマホ?)で写真を撮っているものもありました。
休み時間におやつを食べてもいいし、7年以上前(出版された年が2013年)から携帯電話を学校に持ちこんでもいいんですね。
制服はなく、ミゲルはいつもお気に入りのペンダントを首からさげていて、学校にもつけていっています。
文化が違うと言えばそれまでだけれど、子どもたちはずいぶんと自由です!
遊び
ミゲルはパソコンゲームに夢中になっていて、テレビゲームは週末、宿題が終わった後だけという約束をお母さんとしているそうです。
ミゲルのお父さんが子どもの頃は、街の路地が遊び場でしたが、安全な場所が少なくなったので、外で遊ぶ時は友だちと一緒に車で広場や公園に連れていってもらいます。
マンションの最上階なのに玄関の扉の前に防犯上の鉄格子があったし、「どこへ出かけるにも大人の付き添いが必要なので」と書かれていので、子どもたちだけでご近所で遊べる状況ではないことがうかがえます。
日本の子どもは外遊びが減り体力が低下したというニュースもありますが、地域によってはミゲルと同じ状況で外遊びが気軽にできない状況なんではないでしょうか。その代わりなのでしょうか…今は体操教室などの総合運動系の習い事に人気が集まっていますね。
子どもの心の傷に触れたあとがき
この本は、「あとがき」の部分で少し子どもの心の傷に触れています。
この本の中のミゲルはいつも陽気にふるまっています。服の中にボールをいれて大きなおなかのふりをしたり、自分なりに工夫してその時その時を精一杯楽しく過ごしています。あの有名な「リオのカーニバル」のリオの子どもですもんね!でも、それは辛さを乗り越えた陽気さだったんです。
ブラジルではよくあることなのですが、ミゲルのお父さんとお母さんは6年前に離婚して、お父さんには再婚相手がいます。それについて、お母さんは「楽ではなかった。子どもたちにも理解してもらえるように時間をかけて努力した」と話してくれたそうです。(ミゲルとお姉さんはお母さんと暮らしています)
また、ミゲルは毎年夏を過ごしていた心のふるさとのようなおじいさんの家を、大雨による土砂災害で流され失っています。
ミゲルはパソコンゲームでブロックを重ね、おじいさいんの家を再現したのですが、パソコンで復元したその家のデータが、トラブルで消えてしまい、普段は泣かないのに大泣きし、しばらくしてから大事にしている人形の顔に白い布をかぶせ、自分なりにデータが消えたことを人の死に見立てて区切りをつけたというエピソードが載っていました。
これらについて、子どもは無言でした。何を思ったのか無理矢理聞くのも、なんとなくやめておきました。
どうすることもできない悲しみを乗り越え、陽気にふるまうリオの子どもの暮らし。
異文化理解につながったような気がします。
韓国~ソウルの下町っ子ピョンジュンの暮らし
「韓国」は ソウルのはしに住む11歳の男の子ピョンジュンの暮らしについて書かれています。
韓国はこれまで見てきた他の国に比べて比較的に日本と似ている部分が多かったです。
学校
ピョンジュンは、毎朝、両親は朝早くから会社に行ってしまっていないので、同居しているおじいちゃんに起こされてお世話をしてもらっています。
朝ごはんはたいていコーンフレークと果物。テレビで子ども番組をみて学校へ出発!
妹や友だちと徒歩10分ほどの学校へ登校します。制服はありません。
両親との連絡用に、携帯電話も持って行きます。
日本ではやっと、学校へ携帯電話を持たせて登校してもよくなってきましたね。時代遅れだと言われるのがよくわかります。
月曜の朝は国歌が校内放送で流れ、胸に手をあて国に敬意を示すポーズをとります。
愛国心を育てているんですね~。
この学校は、授業前に毎朝20分間の読書の時間があるそうですが、それは日本でもよく聞きますね。日本と違って驚いたのは、その読書の時間に牛乳が配られ、読書をしながら飲んだり、授業中の好きな時に飲んだりしてもよいということ。それだでなく、朝ごはんのおにぎりやコーンフレークを持って来て食べている子もいるというおおらかさ。
頭の固い私はびっくり仰天です。
体育も体操服がなく、普段着のまま。先生は細かいことをいわないタイプの先生のようで、野球の練習だったのが、いつの間にかサッカーの試合になっているということも。
給食
給食はすごく日本と似ています。毎日、学校で給食を作り、係が教室に運び入れ、配膳台を広げておかずを食器にもりつけます。
国産の食材をつかって、毎日キムチとごはん(雑穀入りが多い)、様々な種類のスープやおかずがでます。
日本も雑穀米をたまには出して欲しいですね。キムチはいりませんが。
日本のように、それぞれの席で食べて、食後は毎日歯磨きをします。
(日本は、手洗い場の数が足りないという理由で、歯磨きをさせない小学校もあります。うちの子が通う小学校も歯磨きなしです。できればさせてほしいですね。)
放課後・習い事
授業が終わると、そうじ当番は教室をそうじをします。これも日本と似ていますね。日本は授業が終わる前に掃除の時間があって、あちこち手分けして掃除するので少し違いますが。
放課後は、みんな習い事の時間ギリギリまで遊びます。学校のグラウンドはにぎやかでサッカーをする子、地面に線をひいてケンパをする子、砂場で遊ぶ子たちもいます。
学校の帰り道にあるトッポギ屋さんでトッポギやかき氷を食べてから、それぞれの習い事へ行きます。
韓国の子どもはいくつも習い事をしていて、日本の2倍くらいは通っているというようなことが書いてありました。
子どもの個性を伸ばすことを応援していて、小学校が運営している習い事もあり、学校に専門の先生が教えにきてくれます。
ピョンジュンは毎日ピアノ教室へ通っています。集合住宅に住んでいて、電子ピアノという環境ですが、コンクールで2位になったこともあるくらいで、将来はピアニストになってお母さんから聞いたフランスへ行ってみたいんだそうです。
その他、水曜日はロボットの組み立て方とプログラミングの仕方を90分間教えてくれる家庭教師が家にきます。サッカー教室にも入っていて、土曜日は囲碁とマジック教室にも通っています。さらに、また新しいスポーツの習い事をはじめたいと思っているそうです。
韓国は学歴社会でお勉強も大変なのに頑張りますね~!
週末は家族そろって晩ごはん
週末は家族みんなで市場に買い出しに行き、一週間分の料理の下ごしらえを子どもたちも一緒にします。
お父さんさんは毎晩、お母さんも帰りが遅くなることが多いからだそう。
おじいちゃんと同居していないと厳しい環境ですね💦
働く両親にかわって祖父母が子守りをするというのも日本と似ていますね。
この本は7年ほど前に出版されたもの。日本と似ているだけに、7年以上前の韓国じゃなく、今の韓国も知りたくなってきました。
世界の子どもたちの暮らしから
個室に学習机・個人パソコン
前回の学研「ヨーロッパの小学生」(2012年発売)2冊とこちらの2冊(2013年発売)を読んで、気付いたのはどの小学生にも自分の部屋があり、自分の部屋に学習机があり、その机にパソコンがあったこと。(比較的裕福な家を取材しているからだと思いますが)
イギリスと韓国の男の子は、プログラミングを習い事としていました。
韓国の男の子はロボットを動かして遊んでいます。
本が出版されたのは7、8年前。取材をしたのはそれよりもっと前でしょう。つまり8年以上前から、世界の子どもたちはパソコンを使って遊んでいたんです。
8年ほど前の日本はそんなことなかったですよね。
日本の情報教育が遅いといわれていたのが、なぜか少しわかった気がしました。
今はもう日本の小学生も学校でパソコンを使った授業を受けていますし、
(休校で動画学習になりましたが…
昔ながらの進研ゼミも学校にあわせて小1からプログラミング教育があります。
コロナのおかげで各家庭も一気にIT化がすすんだから、
(我が家もようやく子ども用にiPadを購入しました…↓買ったよ~という記事です。
shimausj.hatenablog.comパソコンは古いパソコンを与えることにしました)
これに関しては、もう、とやかく言う必要はありませんが、
気がついたら世界から取り残されている!ということ、他にもたくさんあるでしょうね。
リビング学習続ける?
我が家はまだリビング学習できちんとした小学生用の学習机を購入していませんし、個室も与えていませんが、今後どうしようかなぁと検討中です。
今はリビングで親が子どもの勉強をみる状況ですが、
自宅では個室で学習し、学校や塾などでしっかり子どもの勉強をみてもらうスタイルもいいですね。
「ヨーロッパの小学生」シリーズも「世界のともだち」シリーズもまだまだあるので、少しずつ図書館からかりてきて、子どもといろんな国の子どもたちの様子を見て、考えてみたいと思います。
子どもの興味は予想外の方へ広がり続ける
子どもの方はというと、政治の仕組みが国によって違うことに興味をもったようです。
これらの本の趣旨というか、メインはそっちじゃないでしょう?と思うのですが。
同じ本を読んでも、子どもによって反応や興味の広がりも違うんでしょうし、それはそれで面白いですね。
良かったら、お時間のある時にお子さんに読ませてあげてください~
「世界のともだち」シリーズ、「ヨーロッパの小学生」シリーズそれぞれどちらも面白くていい本だと思います。
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